セルホゼ

セル ホゼ

フィジー出身のラグビーユニオン選手、セル ホゼ氏（本名 SERU Jose）は、1991年2月9日にこの世に生を受けました。かつては「ジョセ・セル」あるいは「セル ジョセ」といった表記が用いられたこともあります。彼は国際舞台でも活躍した、日本のラグビー界にとって重要な存在の一人です。

セル氏がラグビーという競技と出会ったのは、比較的遅い17歳の時でした。多くの選手が幼少期からボールに触れる中で、この年齢から本格的にキャリアを始めたことは、彼のポテンシャルの高さを物語っています。ニュージーランドへと渡り、デラセルカレッジ高校で学び、その後はオークランド大学に進学。このニュージーランドでの学生時代が、彼のラグビーキャリアにおける基盤を築きました。

日本へとその活動の場を移したのは2014年のことです。北海道に本拠地を置くクラブチーム、北海道バーバリアンズに加入しました。これは、彼にとって日本でのラグビーキャリアの第一歩であり、異国の地で新たな挑戦を始める重要な節目となりました。このチームでの経験が、その後の日本での活躍へと繋がっていきます。

日本でのプレーを続ける中で、セル氏はその才能を開花させ、国際舞台での活躍も視野に入れるようになります。2018年には、世界の強豪が集う7人制ラグビーワールドカップに、日本代表の一員として選出されました。この経験は、彼にとって大きな財産となり、さらなる高みを目指す原動力となったことでしょう。

そして、彼のキャリアにおける最大の転換点の一つが訪れます。2020年、彼は日本国籍を取得することを決断しました。この決断により、彼は日本人選手として、日の丸を背負ってプレーする道を選んだのです。日本国籍取得は、彼が日本のラグビーに深く根を下ろす意思表示であり、その後の代表活動に大きな影響を与えました。

日本国籍取得から間もない2020年9月、彼は国内トップリーグに所属する近鉄ライナーズ（現・花園近鉄ライナーズ）へと移籍しました。トップレベルの舞台に活躍の場を移し、チームの中心選手として貢献します。この移籍は、彼の実力が国内でもトップクラスであることを証明するものでした。

日本国籍を取得したことで可能となった、日本代表としての活躍の場はさらに広がります。2021年には、地元開催という特別な意義を持つ東京オリンピックにおいて、7人制ラグビー男子日本代表の内定選手に選ばれました。オリンピックという世界の檜舞台に立つことは、多くのスポーツ選手にとって最高の栄誉の一つであり、彼のこれまでの努力が実を結んだ瞬間でした。

所属チームにおいては、登録名の変更も行われました。2022年6月8日付けで、それまでの登録名から「セルホゼ」へと変更されています。これは、チームやリーグ内での選手名の管理や呼称を統一するための措置と考えられます。

長年にわたり、花園近鉄ライナーズ（近鉄ライナーズ時代を含む）の重要な戦力として活躍してきたセル氏ですが、2025年5月をもって同チームを退団することとなりました。これは一つの時代の終わりを告げるものですが、これまでの彼の功績はチームの歴史にしっかりと刻み込まれることでしょう。

セル ホゼ氏のキャリアは、フィジーに生まれ、ニュージーランドでラグビーの基礎を学び、日本で才能を開花させ、国際舞台や国内トップリーグで活躍するという、国境を越えた壮大な物語です。17歳という年齢からラグビーを始めながらも世界のトップレベルまで駆け上がり、日本代表としても貢献した彼の軌跡は、多くの人々に勇気と感動を与えています。今後の彼の活動にも注目が集まることでしょう。

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