北海道バーバリアンズ

北海道バーバリアンズ（Hokkaido Barbarians）は、北海道札幌市およびその周辺地域を拠点とする総合型スポーツクラブです。特定非営利活動法人（NPO法人）である北海道バーバリアンズラグビーアンドスポーツクラブによって運営されています。設立当初はラグビーユニオン専門のクラブとして活動を開始しましたが、現在では多様なスポーツ部門を有する組織へと発展しています。

クラブの歴史と発展

クラブの起源は1975年まで遡ります。北海道小樽潮陵高等学校の卒業生5名、田尻稲雄氏らによって小樽市で「ボーミッツ（VOMITS）」として結成されました。その後、1987年に活動の本拠地を札幌市に移転し、名称を現在の「北海道バーバリアンズ」へと改めました。札幌移転後、クラブは急速に規模を拡大し、1988年には早くも2チーム編成となりました。

特筆すべきは、1999年にスポーツ団体として初めて特定非営利活動法人（NPO法人）の認定を受けたことです。これは、単なる競技チームとしての活動に留まらず、地域におけるスポーツ振興や社会貢献を目指すクラブの姿勢を示すものであり、日本のスポーツクラブ運営における先駆的な事例となりました。

2008年には、ラグビー中心のクラブから脱皮し、クリケット、パークゴルフ、スキークロスカントリー、車いすマラソン、テニスなど、様々なスポーツ部門を擁する真の意味での総合型スポーツクラブへと転換を遂げました。この多様な活動は、幅広い年齢層や異なる競技への関心を持つ人々に対し、スポーツを通じた交流や健康増進の機会を提供しています。

組織と活動内容

北海道バーバリアンズは、男女、ジュニアからシニアまで、幅広い年代を対象としたチームを組織しています。

ラグビー部門

クラブの中核をなすラグビー部門には、複数のカテゴリーがあります。

男子チーム「北海道バーバリアンズ」:
Aチーム: 男子15人制のトップカテゴリーを担います。
Bチーム: 男子15人制の準チームで、Aチームよりも経験豊富なベテラン選手が多く在籍します。
シニア: 35歳以上、50歳以上といった年代別の大会に出場するチームです。
女子チーム「北海道バーバリアンズディアナ」: 女子7人制ラグビーのチームです。
ジュニアチーム「北海道バーバリアンズラグビージュニア」: 幼児、小学生、中学生を対象とした育成チームです。未来のラガーマン、ラガールを育成する重要な役割を担っています。

その他のスポーツ部門

ラグビー以外にも、以下のスポーツチームが活動しています。

アイスホッケー（北海道バーバリアンズH.C.）
バドミントン
クリケット
パークゴルフ
スキークロスカントリー
車いすマラソン
テニス

これらの部門は、地域のスポーツ愛好家や多様な競技に挑戦したい人々にとって、貴重な活動の場となっています。

主な競技成績

特にラグビー部門では、全国レベルおよび地域レベルで輝かしい成績を収めています。

男子15人制

男子15人制チームは、クラブレベルの主要大会で数々のタイトルを獲得しています。

全国クラブラグビーフットボール大会では、2014年、2016年、2017年、2019年の計4回、日本一に輝いています。
東日本トップクラブリーグにおいては、2010年、2012年、2015年、2016年、2017年、2018年、2022年、2023年、2024年と、最多となる9回の優勝を記録しています。
東日本クラブ選手権でも、1992年、2002年、2014年、2015年、2016年、2017年、2019年の計7回、優勝トロフィーを掲げています。

女子7人制

女子チーム「ディアナ」も着実に実力をつけ、2024年5月には太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2024の昇格大会で優勝を果たしました。この優勝により、翌2025年シーズンには日本の女子ラグビー7人制トップリーグである同シリーズに、コアチーム（上位12チーム）として参戦することが決定しています。

クラブの施設

北海道バーバリアンズは、札幌市南区定山渓に専用のグラウンド施設を所有しています。広大な敷地内には、メイングラウンド1面とサブグラウンド1面のラグビー場に加え、クラブハウス4棟、屋内練習場、テニスコート、パークゴルフ場などが整備されており、クラブの活動拠点として、また地域スポーツの振興に貢献しています。

在籍・出身選手

クラブには、現役で活躍する選手や、過去に国内外のトップレベルでプレーした選手が多数在籍しています。

2024年5月現在、男子チームのキャプテンを務める和田昂樹選手や奥田浩也選手らがチームを牽引しています。また、七戸勇気選手が7人制ラグビー日本代表に、三枝千晃選手が7人制女子ラグビー日本代表に選出されるなど、日本代表クラスの選手も輩出しています。

過去には、マテアキ・カファトル選手（元サンウルブズ）や、サム・チョンキット選手（元宗像サニックスブルース）、トゥキリ・ロテ・ダウラアコ選手（元花園近鉄ライナーズ）といった、国内トップリーグや国際舞台で活躍した経験を持つ選手たちも在籍していました。これは、北海道バーバリアンズが選手育成においても重要な役割を果たしていることを示しています。

まとめ

北海道バーバリアンズは、小樽での創設以来、札幌を拠点に発展を続け、スポーツ団体として初めてNPO法人となるなど、日本の地域スポーツクラブのモデルケースの一つと言えます。ラグビーにおける数々の実績に加え、多岐にわたるスポーツ部門を擁することで、地域住民に多様なスポーツの機会を提供し、スポーツ振興に大きく貢献しています。専用グラウンドの整備や、トップレベルの選手輩出など、クラブの持つポテンシャルは高く、今後も北海道のスポーツシーンにおいて重要な存在であり続けるでしょう。

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