セルマの戦い

セルマの戦い

セルマの戦いは、1865年4月2日にアラバマ州セルマで行われた南北戦争の重要な戦闘です。北軍のジェイムズ・H・ウィルソン少将が指揮する部隊が、南軍のネイサン・ベッドフォード・フォレスト中将の部隊を破ったことで知られています。この戦闘は、戦争の終息に向けた流れを変える出来事として、多くの歴史家により評価されています。

戦闘の背景

当時、セルマは南部の軍需品産業の中心地であり、多くの弾薬や武器が製造されていました。具体的には、装甲艦 CSS テネシーもこの地で建造されており、アラバマ州南部の軍需品供給の要所となっていました。このため、北軍はセルマを狙った攻撃を計画しました。

1865年3月、ウィルソンは兵力と装備を整え、テネシー州からアラバマ州に侵攻。彼の指揮の下、3個騎兵師団と総勢13,500名の部隊が南下しました。一方、フォレストは約2,000名の兵力を持ち、そのほとんどは老兵や若者からなる未熟な徴兵兵でした。彼のように劣勢な状況の中、フォレストは必死にセルマを守る準備を進めます。

4月1日、エベネザー教会近くで小規模な衝突が起こり、フォレストの部隊はセルマへと撤退しました。ウィルソンはその後、兵を3つのグループに分け、セルマの強固な防衛線に向かいました。セルマは南北の攻撃線に囲まれていましたが、南軍は守備兵を不足しており、結果的にウィルソンの部隊は防御線を突破することになります。

セルマでの戦い

4月2日、ウィルソンの部隊がセルマの壁に接近すると、フォレストは守備隊の指揮を執って抵抗しました。防御工事は昔のままで頑丈でしたが、残された兵力は4000名にも満たず、南軍が均一に配置されたわけではありませんでした。ウィルソンの部隊と南軍の交戦が始まると、両軍ともに大きな犠牲を出しながら戦闘が続きました。

ウィルソンは自軍に対して敵の右翼を攻撃するよう命じ、午後5時に攻撃が開始されました。南軍は必死に応戦しましたが、圧倒的な数の前に次第に押し込まれていきました。北軍は肉薄してくると、白兵戦へと発展し、激しい戦闘が展開されました。最終的には北軍が攻撃のメインを占め、南軍は退却せざるを得なくなります。

戦闘の結果

戦闘の後、北軍は数百名の南軍兵を捕獲しましたが、フォレストや他の将軍は暗闇の中で脱出に成功します。この戦いで北軍は359名の死傷者を出しましたが、南軍の損失は2,700名を超えました。そのほとんどが捕虜となり、大砲も32門が北軍の手に落ちました。

勝利を掴んだ北軍は、セルマでの略奪を行い、多くの建物が焼かれました。その後、彼らはアラバマ州の州都モンゴメリーへと向かい、さらなる戦闘を重ねていきました。この戦いは、南北戦争の終息を見越した重要な出来事となりました。戦後、再びこの場所の歴史を振り返る機会が設けられています。

参考文献

• - Hurst, Jack. Nathan Bedford Forrest: A Biography.
• - Trudeau, Noah Andre. Out of the Storm: The End of the Civil War, April-June 1865.
• - Wills, Brian Steel. A Battle from the Start: The Life of Nathan Bedford Forrest.

もう一度検索