センコロール

センコロール：未知との遭遇、少年少女の物語

『センコロール』（Cencoroll）は、アニメーター宇木敦哉がほぼ一人で制作した独創的なアニメーション映画です。動画革命東京の支援を受け、2009年に公開されました。その斬新な映像表現と独特な世界観は、多くの人々を魅了し、文化庁メディア芸術祭にも選ばれるなど、高い評価を受けています。

2019年には、続編となる『センコロール2』と合わせて『センコロール コネクト』として上映され、再び注目を集めました。

ストーリー

物語は、街に突如現れた巨大生物を中心に展開します。少年テツは、その生物を追う中で、同級生のユキに自身の秘密であるセンコの存在を知られてしまいます。センコの変身能力に興味を持ったユキは、テツに頼み込んでセンコに乗せてもらうことに。しかし、そこへ同じようにモンスターを操る少年シュウが現れ、テツとシュウはモンスターを巡る争いを繰り広げることになります。ユキは、図らずもこの争いに巻き込まれていくことになります。

制作の舞台裏

『センコロール』は、2006年に動画革命東京の支援候補作に選ばれました。当初のタイトルは『Untitle』。宇木敦哉は、原画、動画、仕上げ、背景など、制作のほとんどの工程を一人で担当しました。その映像のクオリティの高さは、彼の才能と情熱の賜物と言えるでしょう。

本作の舞台は、宇木敦哉の出身地である北海道札幌市をモデルにしており、札幌の市街地が登場します。また、宇木敦哉自身の漫画作品『アモン・ゲーム』が制作の元になっています。

個性的な登場人物たち

テツ / アマミヤ テツ
声 - 下野紘

センコを飼う高校生。冷静沈着で、どこか無気力な雰囲気を漂わせています。

センコ

テツが連れている謎の白い生物。食べた物の形に変身する能力を持ちます。意思はあるようですが、基本的にはテツの指示に従います。

ユキ
声 - 花澤香菜

テツの同級生。好奇心旺盛で物怖じしない性格で、「怪獣」にも興味津々。センコを目撃したことからテツと知り合いますが、争いに巻き込まれてしまいます。

シュウ
声 - 木村良平

センコのような生物を操る少年。センコの変身能力を狙い、テツと対立します。

カニ（仮称）

シュウが連れている円盤状の生物。姿を消す能力を持ち、シュウを乗せて街中を移動します。

マメタン（仮称）

街の上空に現れた巨大な白い生物。他の「怪獣」を誘い出すためにシュウが連れてきた存在です。

ケイ
声 - 森谷里美

ユキの友人。ユキを何かとフォローするしっかり者です。

評価と受賞

『センコロール』は、その独創的な映像表現とストーリーで、国内外で高い評価を得ています。Anime News Networkは、「視覚的な発明」であり、「生で直接的な感覚」と賞賛しました。また、第4回札幌国際短編映画祭では最優秀北海道作品賞を受賞しています。

関連情報

監督・脚本・作画: 宇木敦哉
音楽: ryo（supercell）
主題歌: 「LOVE & ROLL」 - supercell

『センコロール』は、宇木敦哉の才能が光る、唯一無二のアニメーション作品です。まだ観ていない方は、ぜひ一度ご覧ください。

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