セントラル・セント・マーチンズ

セントラル・セント・マーチンズ（Central Saint Martins）

セントラル・セント・マーチンズ、略してCSMは、ロンドン芸術大学に属するカレッジであり、多くの著名なデザイナーを育成してきたことで知られています。この教育機関は、アートとデザインの多様な分野を提供しており、ファインアート、ファッション、テキスタイル、映画、ビデオ、写真、グラフィックデザイン、3Dデザイン、演劇、パフォーマンスなど、幅広い科目を網羅しています。CSMは英国のアートとデザイン教育の先駆者であり、これまでに多くの業界で活躍するクリエイターを輩出しています。

コースと学び

CSMでは、学生たちがアートとデザインの境界に挑戦することを奨励しています。短期コースやファウンデーションコース、さらには修士課程など、多彩な選択肢があります。特に卒業シーズンの6月には、学生たちの卒業コレクションや展覧会が開催され、国内外のファッション関係者やジャーナリストが訪れるため、注目が集まります。セントラル・セント・マーチンズは、特にファッション分野に強い印象を持たれることが多いですが、このカレッジの根底にはしっかりとファインアートが存在しています。

歴史的背景

CSMの歴史は1854年に設立されたセント・マーチンズ・スクール・オブ・アートと1896年のセントラル・スクール・オブ・アート・アンド・クラフツの合併にさかのぼります。1989年に両校が合併し、現在のセントラル・セント・マーチンズが誕生しました。その後も、1999年にはドラマ・センター・ロンドンが、2002年にはバイアン・ショー・スクール・オブ・アートが統合され、さらなる発展を遂げていきました。

キャンパスの魅力

CSMはロンドン中心部に3つのキャンパスを持ち、メインキャンパスは2011年からカムデン区のグラナリー・ビルディングに位置しています。この場所は元々小麦の貯蔵倉庫として使用されていたもので、駅から徒歩10分ほどの距離にあります。建物内には4フロアが吹き抜けとなった「ストリート」という空間があり、これは展示やショー、学生たちの交流のために設計されています。また周辺には広大なキングス・クロス・セントラル開発地域やグラナリー・スクウェア、大英図書館、リージェンツ運河など、多くの文化的なスポットが集まっています。

関連機関

CSMに関連する重要な機関の一つとして、ロンドン国際芸術高校（ISCA）があります。ISCAは、クリエイティブな分野を目指す16歳以上の学生のための芸術専科の寄宿制学校として設立され、CSMと同じくロンドン芸術大学に属しています。この高校を卒業した生徒たちは、CSMを含む多くの名門大学への進学を果たしています。

著名な卒業生

CSMは多くの著名なクリエイターやアーティストを輩出しています。例えば、インダストリアルデザイナーのジェームズ・ダイソンや、家具デザイナーのテレンス・コンラン、ビデオアーティストのモナ・ハトゥムなどがその例です。また、映画監督のチェ・ウニョンや元プロレスラーのジョージ・ゴーディエンコといった異分野の卒業生もいます。こうした多様な才能を持つ卒業生たちは、現在もさまざまな場面で活躍を続けています。

セントラル・セント・マーチンズは、アートとデザインの教育において重要な役割を果たしており、今後も多くのクリエイティブな人材を輩出し続けることでしょう。

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