セント・オールバンズ

セント・オールバンズ：歴史と現代が融合する魅力的な都市

セント・オールバンズは、イングランド南東部ハートフォードシャー州に位置する歴史豊かな都市です。ロンドン中心部から北へわずか22キロメートルという近さにありながら、2000年以上にわたる歴史を誇ります。その歴史は、ケルト系のベルガエ族の集落ヴェルラミオンにまで遡り、ローマ時代の重要な都市ヴェルラミウムとして発展しました。

古代から現代へ続く歴史

ローマ帝国の衰退後も、聖オルバンにちなんだ修道院を中心に街は発展を続けました。中世には重要な巡礼地として栄え、マグナ・カルタの最初の草案が作成された場所としても知られています。現在も残るセント・オールバンズ大聖堂は、かつての修道院教会を起源とし、1877年には主教座聖堂に格上げされました。大聖堂の西正門と外陣西側のベイは、1195年から1235年にかけて建設されたもので、歴史を感じさせる荘厳な建築です。

14世紀に創立されたセント・オールバンズ校は、英語圏で唯一、ローマ教皇ハドリアヌス4世が学んだ学校として有名です。学校敷地内には、かつて帽子工場として使われていた建物も残っており、かつてセント・オールバンズで盛んだった製造業の歴史を今に伝えています。

交通の要衝、そして現代都市

セント・オールバンズは、主要な道路網の交差する地点に位置し、ロンドンとイギリス北部を結ぶ交通の要衝です。M1、M25高速道路を始め、A1、A5183、A1081などの主要道路が交差しており、自動車でのアクセスも良好です。さらに、セント・オールバンズ・シティ駅とセント・オールバンズ・アビー駅の2つの鉄道駅があり、ロンドンを始めとする各地へのアクセスが容易です。ロンドン・ルートン空港、ロンドン・ヒースロー空港へのアクセスも容易で、国内外の移動にも便利な立地です。

しかし、中心部では交通渋滞が深刻な問題となっています。狭い道路が多く、車の利用率が高いのに対し、自動車道路整備が不十分であることが原因の一つです。

活気ある地域経済と豊かな文化

セント・オールバンズの経済は、中小企業、小売業、観光業が中心です。労働人口の20％がロンドンに通勤しており、地元企業は46,000個の雇用を創出しています。市内には、歴史あるパブも多く、イングランド最古といわれるパブ「Ye Olde Fighting Cocks」は、かつて探検家ウォルター・ローリーが滞在したと伝えられています。毎週水曜日と土曜日に青空市場が開かれ、毎月ファーマーズマーケットやフレンチマーケットも開催され、地域住民の生活を豊かに彩っています。

20世紀以降、ニュータウンの開発などにより市街地は拡大しましたが、歴史的建造物や遺跡は大切に保存され、観光資源として活用されています。15世紀初頭の時計塔は、イングランドで他に類を見ない貴重な建造物です。

国際交流とスポーツ

セント・オールバンズは、イタリアのファーノ、ハンガリーのニーレジハーザ、フランスのヌヴェール、デンマークのオーデンセ、ドイツのヴォルムス、オランダのNieuwleusenと姉妹都市協定を締結し、国際交流にも力を入れています。また、地元サッカークラブであるセント・オールバンズ・シティFCも地域に活気を与えています。

まとめ

セント・オールバンズは、古代ローマ時代から続く歴史と現代都市の活気が融合した、魅力あふれる都市です。歴史的建造物、交通の便、豊かな文化、活気ある経済活動など、多くの魅力を兼ね備えています。ロンドンへの近接性も大きなメリットであり、住みやすく、働きやすい都市として、今後も発展が期待されます。

もう一度検索