セント・ポール大聖堂

セント・ポール大聖堂の歴史と魅力

ロンドンの金融街、シティ・オブ・[[ロンドン]]に位置するセント・ポール大聖堂は、イングランド国教会の主教座聖堂として知られています。この壮大な建物は、聖パウロを記念するものであり、イギリス・バロックの代表的な作品とされています。1675年から1710年にかけて建設され、その美しさと歴史的な価値から、ロンドンのシンボルの一つとして親しまれています。

歴史的背景

セント・ポール大聖堂の歴史は非常に豊かです。もともと607年頃に建設された初代の聖堂は木造でしたが、次第に石造りのものに置き換えられました。しかし、この聖堂は何度も焼失しています。アングロ・サクソン年代記によると、2代目の聖堂はヴァイキングによって焼き払われ、さらにその後に建てられた3代目も1087年に再度焼失しました。1240年にはウィリアム1世により、再建された旧セント・ポール大聖堂が完成します。この建物は長さ196メートル、幅96メートルという大きさを誇り、158メートルの尖塔が町のシンボルとなりました。

しかし、1561年には落雷による火災があり、エリザベス1世の治世下での復旧も限られたものでした。17世紀に入り、大聖堂再建の動きが高まりましたが、1666年のロンドン大火により、旧セント・ポール大聖堂は完全に焼失しました。

現大聖堂の建設

新たに建設されたセント・ポール大聖堂は、国王チャールズ2世の勅令により、クリストファー・レンの設計に基づいて1675年に着工されました。完成には35年を要しました。現大聖堂は長さ157m、幅74m、高さ111mを誇り、特にその大ドームは目を引きます。ドーム内のフレスコ画はジェームズ・ソーンヒルによって描かれ、内陣の装飾はグリンリング・ギボンズの手によるものです。

大聖堂の西正門は、美しいファサードによって格調高くデザインされています。コリント式とコンポジット式の２層の柱廊が特徴的で、その上部には聖パウロの彫像が設置されています。また、歴史的建築基準である「セント・ポール・ハイト」が1930年代に制定され、周囲の建物は大聖堂の景観を損なわないように設計されています。

大聖堂の役割

セント・ポール大聖堂は単なる宗教施設ではなく、ロンドン市民や訪問者にとって重要な文化的なランドマークです。大聖堂では毎日5回の礼拝が行われ、特別な行事においてはさらに増えます。また、ドーム内部へのアクセスも可能で、そこからの眺望は絶景です。

この大聖堂は、イギリスが関わった二度の世界大戦の勝利を祝う式典の場としても知られています。具体的な行事としては、1965年にウィンストン・チャーチル元首相の葬儀や、1981年にチャールズ3世とダイアナ妃の結婚式が行われました。2001年にはアメリカ同時多発テロ事件の犠牲者を追悼する式典も開催され、建物の歴史にさらなる深みが加わりました。

クリプトと著名人の墓

大聖堂の地下にはクリプトがあり、クリストファー・レンの墓をはじめ、アレクサンダー・フレミングやジョン・エヴァレット・ミレーなどの著名人が埋葬されています。特にレンの墓には、「LECTOR SI MONUMENTUM REQUIRIS CIRCUMSPICE」というメッセージが刻まれており、訪れる人々に深い印象を与えています。

結論

セント・ポール大聖堂は、その壮大な建築と豊かな歴史によって多くの人々に愛され続けてきた場所です。今なお日々の礼拝や特別な行事が行われ、多くの訪問者によって賑わい、ロンドンの象徴としての地位を確立しています。

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