コリント式

コリント式の建築様式

概要

コリント式は古代ギリシアの建築様式の一つで、特にその美しい柱頭が特徴的です。柱上部のキャピタルはアカンサスの葉をモチーフにしており、その装飾性が際立っています。このスタイルは、ギリシアに起源を有しますが、実際にはギリシア建築の中での使用例は比較的少なく、主にアテナイで発展したとされています。名称は、古代ギリシアの都市コリントスに由来していますが、アテナイで形成された様式であることから、混同が見られることがあります。

このスタイルの柱は、細長く溝が彫られた柱身を持ち、全体的に優雅さを感じさせます。また、コリント式の柱頭はイオニア式の柱頭を基にした発展型と考えられることがありますが、コリント式にはより複雑な装飾が施されています。

歴史と起源

古代ローマの建築家ウィトルウィウスによると、コリント式は彫刻家カリマコスに触発されて考案されたとされています。カリマコスは、幼い少女の墓に供物の籠が置かれている光景から、この荘厳な柱頭のデザインを思いついたと伝えられています。このスタイルは、主にローマ時代に広がり、多くの重要な建造物に採用されその後の建築様式にも深い影響を与えました。

デザインの特徴

コリント式の柱頭は、アカンサスの葉と茎を二段にスタイライズしたデザインが基本です。さらに、このデザインには小さな渦巻き飾りが加えられており、より豪華な印象を与えています。また、ドリス式やイオニア式とは異なり、コリント式の柱頭には基部にくびれがないのが特徴です。そのため、環状の玉縁が柱頭の底部を形作り、全体、調和の取れた印象を与えています。

代表的な建造物

コリント式は多くの文化圏で愛用されています。以下は具体的な例です。

日本

• - 明治生命館
• - 日本銀行本店
• - 三井本館
• - 大阪府立中之島図書館
• - 日本郵船歴史博物館

フランス

• - メゾン・カレ

ギリシャ

• - ゼウス神殿
• - アポロ・エピクリウス神殿

ローマ

• - パンテオン
• - コロッセオ

ドイツ

• - 国会議事堂

イタリア

• - パンテオン

イギリス

• - ネルソン記念柱
• - ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン
• - セント・ポール大聖堂
• - セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

アメリカ

• - アメリカ合衆国議会議事堂
• - ニューヨーク証券取引所
• - 米国最高裁判所

ロシア

• - 冬宮殿

このように、コリント式は古代から現代に至るまで多くの建物に影響を与え、その美しさと象徴性は今なお私たちを魅了し続けています。

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