セーヌ県

セーヌ県の歴史と再編

概要

セーヌ県（フランス語: Le département de la Seine）は、1790年に設立されたフランスの県で、1968年に廃止されました。この県は、パリとその周辺地域を中心とした重要な行政区域でした。1964年以降、パリを含むさまざまな県に再編され、今日の地域区分に大きな影響を与えています。

設立の過程

1790年1月13日、フランスの国民議会によって「パリ県」の設置が発表されました。この県は、当初ノートルダム大聖堂からおおむね12キロメートルの範囲内のコミューンで構成されることが決定しました。1790年に入り、パリ県の境界が設定され、2月10日にはパリ、市の名のもとに3つの地区（地区名はそれぞれ、パリ、サン＝ドニ、ブール＝ラ＝レーヌ）を設置することが決定しました。

18世紀の変遷

1790年に関する重要な日付としては、3月4日にはパリ県が正式に成立、1792年にはブール＝ラ＝レーヌ地区の改名が行われ、さらに1795年にはパリ県がセーヌ県と改名されました。これにより、地区制度も廃止され、県の行政構造に変更が加えられました。

19世紀の発展

1800年には新たに14の郡（arrondissements）が設置され、その後パリには12の行政区ができました。特に重要なのは1860年で、この年に周辺部を併合し、パリは現在の20区という形に再編されました。また、1860年以降はセーヌ県知事が隣接するサン＝ドニ郡やソー郡を直接統治することになりました。1893年には新たに13の小郡も設置され、地域の行政体制がさらに強化されました。

20世紀の変革

20世紀初頭には、セーヌ県の構造が再び変化し、1908年にはサン＝ドニ郡に新たな小郡が設けられました。1964年の法律によって、セーヌ県とセーヌ＝エ＝オワーズ県の廃止が決定され、1968年には正式にその役目を終えました。この廃止により、サン＝ドニ郡やソー郡も影響を受け、新たな県庁所在地としてボビニー、クレテイユ、ナンテールが計画されました。

人口の変遷

セーヌ県成立時の1801年には、人口は約63万人で、その87%がパリに集中していました。廃止時には、セーヌ県の人口は570万人を超え、パリには約259万人、周辺のオー＝ド＝セーヌ県、ヴァル＝ド＝マルヌ県、セーヌ＝サン＝ドニ県にもそれぞれ多くの人が住んでいました。

評価と影響

セーヌ県の歴史は、フランスの行政制度や都市計画に大きな影響を与えました。特に、ジョルジュ・オスマン知事の下でのパリ改造は現在のパリの姿を形作る重要な要素となりました。さらに、セーヌ県の人々がどのように行政と役割を果たしてきたかは、今も語り継がれています。

もう一度検索