ボビニー

ボビニー（Bobigny）

ボビニーはフランス北部に位置し、イル・ド・フランス地域圏のセーヌ＝サン＝ドニ県の県庁所在地です。面積は677ヘクタールで、2010年の国勢調査によると人口は約47,492人です。市は8つの地区に分かれており、大半は経済・社会問題対策優先実施区域（脆弱都市地域）に指定されています。

地理的特徴

ボビニーはパリの北東にある郊外に位置し、パリ市から約3キロメートル離れています。ウルク運河の北岸に面しており、湖沼や緑地が点在しています。市の平均海抜は55メートルで、主に平野を形成しています。

周囲には、ドランシ、ラ・クールヌーヴ、パンタン、ロマンヴィル、ノワジー＝ル＝セック、ボンディといった自治体が点在し、交通の便も良い立地です。

交通の便

交通は充実しており、パリメトロ5号線が通っている他、ボビニー＝パンタン＝レイモン・キュノー駅とボビニー＝パブロ・ピカソ駅の2つの駅があります。また、トラム1号線（T1）が市内を東西に貫通し、グランド・サンチュールも沿って走っています。将来的にはトラムの旅客輸送化が計画されています。

都市の風景

ボビニーの南と西は商業地域として発展しています。市の中心部であるボビニー＝パブロ・ピカソ駅周辺には公共施設やショッピングセンターがあり、高層の集合住宅に囲まれています。一方で北部や北東部には古い戸建て住宅が残り、20世紀初頭の香りを感じさせます。また、ウルク運河北岸にはベルジェール県立公園が整備されています。

地名の由来と市章

ボビニーという名称は、ローマの将軍バルビニウスに由来しています。バルビニウスは古代にボンディの森に邸宅を構えました。市章は金色の斜め十字で、青い盾には銀色の花や果物、さらに小麦の穂を冠したバスケットが描かれています。これによりボビニーはサン・アンドレの庇護の下にあることを示しています。

歴史

1789年には人口200人ほどの小さな村であり、主に穀物生産を行っていました。しかし1870年の普仏戦争で町は荒廃しました。19世紀末にはパリからの鉄道が通り、村は労働者の町に変貌しました。1920年以降、共産主義政権が誕生し、ボビニーはパリの「赤いバンリュー」として知られるようになりました。第二次世界大戦中には多くのユダヤ人がボビニーからアウシュビッツへ送還されました。1950年代から1960年代にかけ人口が急増し、多くの住宅が建設され、1968年には県庁所在地として承認されました。

経済

ボビニーの経済は、県庁所在地であるという地位によって支えられています。しかし、パリ市内の一部と同様、所得は低めです。地域の雇用機会や経済活動は、周囲の社会経済情勢に影響を受けやすい状況です。

姉妹都市

ボビニーは以下の都市と姉妹都市関係を持っています：

• - セトゥーバル（ポルトガル）
• - ポツダム（ドイツ）
• - セルプホフ（ロシア）

著名な出身者

ボビニーには著名なサッカー選手が多くおり、シャルル・イタンジュ、アビブ・ベライド、ラシド・エト＝アトマンなどがその例です。また、ボビニーは文化やスポーツの発信地としても知られています。

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