セーブル (訓練空母)

セーブル (USS Sable, IX-81)

セーブルは、アメリカ海軍が第二次世界大戦中に運用した訓練用の航空母艦です。その特徴は、もともと客船として建造された外輪船を改装して空母とした点にあります。

艦歴

1924年、オハイオ州ロレインのアメリカン・シップビルディング社で、客船グレーター・バッファロー (Greater Buffalo) として建造されました。その後、第二次世界大戦勃発に伴い、1942年8月7日に戦時船舶管理局によって、ミシガン州デトロイトのデトロイト・アンド・クリーブランド・ナビゲーション・カンパニーから取得されました。

同年9月19日には、セーブル (USS Sable, IX-81) と命名され、ニューヨーク州バッファローのアメリカン・シップビルディング社エリー・プラントで空母への改装工事が行われました。1943年5月8日、ウィリアム・A・スコーチ大佐の指揮下で就役しました。

セーブルは姉妹艦であるウルヴァリン (USS Wolverine, IX-64) と共に、イリノイ州シカゴを拠点として五大湖で活動しました。飛行甲板が設置されたことで、セーブルは空母パイロット育成のための訓練艦として重要な役割を担うことになります。1943年6月1日には第9海軍管区に配属され、空母パイロットの訓練に専念しました。

1945年11月7日に退役するまでの間、セーブルとウルヴァリンは合わせて17,820名ものパイロットを訓練し、116,000回もの着艦を成功させました。このうち、セーブルでは51,000回の着艦が記録されています。

セーブルで訓練を受けたパイロットの中には、後に第41代アメリカ合衆国大統領となったジョージ・H・W・ブッシュも含まれています。ブッシュ元大統領は、セーブルでの訓練を「冬の五大湖で開放コクピット機に乗って訓練したことは、私の人生で最も寒い経験だった」と回想しています。

セーブルは1945年11月28日に除籍され、1948年7月7日に海事委員会によってH・H・バンチャー社に売却されました。その後、同年7月28日に解体処分されました。

関連項目

アメリカ海軍航空母艦一覧
ウルヴァリン (USS Wolverine, IX-64))

外部リンク

history.navy.mil: USS Sable
navsource.org: USS Sable
* hazegray.org: USS Sable

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