セーブ・ザ・チルドレンとは？意味をやさしく解説

セーブ・ザ・チルドレンとは

セーブ・ザ・チルドレンは、1919年にイギリスで設立された国際的な非政府組織（NGO）です。国連経済社会理事会の総合協議資格を持ち、子どもの権利に関する条約を理念として、子どもの権利の保護を目標に活動しています。世界中の子どもたちが、その権利を十分に享受できる社会の実現を目指し、子どもたちの「生きる・育つ・守られる・参加する」権利を守るために活動しています。

組織の理念と使命

セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが自らの決定権を持つことを重視し、子ども目線での情熱的かつ専門的な活動を展開しています。組織のビジョンとして、「子どもを尊重し、大切にする」「子どもから学ぶ」「子どもに生きる希望とあらゆる機会を提供する」という3点を掲げています。そして、子どもたちが子どもらしく生きる権利を実現するため、世界中の子どもたちと共に、生活を改善し、その状態が継続するように取り組んでいます。

歴史

セーブ・ザ・チルドレンの創設者であるエグランティン・ジェップは、第一次世界大戦中にバルカン半島で、戦争によって苦しむ多くの子どもたちを目撃しました。この経験から、戦争が子どもたちにとって最大の脅威であると考え、反戦運動に身を投じました。

1919年、エグランティン・ジェップは妹のドロシー・バクストンと共に、第一次世界大戦後の飢餓に苦しむ子どもたちを救うために活動を開始しました。敵味方の区別なく、ヨーロッパの子どもたちに食料と医薬品を送り届けました。ジェップは「私には11歳以下の敵はいない」という言葉を残し、子どもの救済に共感する人々とともに、セーブ・ザ・チルドレンを設立しました。

設立から現在まで

- 1919年: イギリスのロンドンで、エグランティン・ジェップがセーブ・ザ・チルドレンを創設。
- 1920年: スイスのジュネーブで、国際セーブ・ザ・チルドレン連盟を設立し、ジェップが総裁に就任。
- 1923年: エグランティン・ジェップが、世界初となる子どもの権利宣言を起草。
- 1924年: 国際連盟が子どもの権利宣言を採択。この宣言は、後の国際連合による同宣言批准、そして児童の権利に関する条約の基礎となりました。
- 1959年: 国際連合が、子どもの権利宣言を国際連合憲章の一部として批准。
- 1970年: イギリス王女アンが、イギリスのセーブ・ザ・チルドレン総裁に就任。
- 1977年: ジュネーブで、セーブ・ザ・チルドレン世界連盟が設立。
- 1979年: 国際児童年を機に、子どもの権利宣言の条項見直し作業が行われる。
- 1989年: 国連総会で、児童の権利に関する条約が全会一致で採決。セーブ・ザ・チルドレンは同条約の草案作成に深く関わりました。
- 1997年: 世界27カ国のセーブ・ザ・チルドレンが、セーブ・ザ・チルドレン世界連盟として組織化。
- 1998年: ブルクハルト・グナリッグが、セーブ・ザ・チルドレン世界連盟事務局長に就任。
- 2006年: キャンペーン「Rewrite the Future」が開始。
- 2008年: シャーロット・ペトリ・ゴルニツカが、セーブ・ザ・チルドレン世界連盟事務局長に就任。

テロ被害

2018年 1月24日、アフガニスタンの事務所が襲撃され、職員4名が死亡、多数が負傷する痛ましい事件が発生しました。この事件はISISによる犯行声明が出されました。

世界的なネットワーク

セーブ・ザ・チルドレンは、世界最大級のネットワークを誇り、2009年時点で28カ国が連携し、約120カ国で活動を続けています。

主要な加盟国

セーブ・ザ・チルドレンのメンバー団体は、以下の国々に存在します。

アイスランド共和国、アメリカ合衆国、イギリス、イタリア共和国、インド共和国、オーストラリア連邦、オランダ王国、カナダ、グアテマラ共和国、スイス連邦、スウェーデン王国、スペイン、スワジランド王国、大韓民国、デンマーク王国、ドイツ連邦共和国、ドミニカ共和国、日本国、ニュージーランド、ノルウェー王国、フィジー諸島共和国、フィンランド共和国、ブラジル連邦共和国、ホンジュラス共和国、メキシコ合衆国、ヨルダン・ハシミテ王国、リトアニア共和国、ルーマニアなど。

日本での活動

日本では、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン（SCJ）が、東京都千代田区に本部事務局を置き活動しています。年間約6億円の経常費用で、子どもの権利擁護のための様々な活動を展開しています。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの沿革

- 1986年: セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン設立。
- 1995年: 日本国外務省より社団法人として認定。
- 2001年: 日本国外務省より特定公益増進法人として認定。

外部リンク

セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが安心して成長できる世界を目指し、今日も活動を続けています。

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