ゼオカルパマメ

ゼオカルパマメ（学名：Macrotyloma geocarpum）は、マメ亜科に属する一年生植物です。最大の特徴は、地中に莢をつけ、その中に種子を形成することです。この種子は食用として利用されており、特にサハラ砂漠南縁に位置するニジェール川中流域を中心とした地域で主に栽培されています。

同じように地中に莢をつけるマメとして、ササゲ属のバンバラマメ（Vigna subterranea）が挙げられます。バンバラマメは、アフリカ原産でありながら世界各地に伝播し、広く栽培されるようになりました。しかし、ゼオカルパマメは、原産地であり栽培化されたアフリカ中央部から他の地域へ伝播することはほとんどありませんでした。この地域に根ざした作物と言えるでしょう。

19世紀に落花生がサヘル地域に伝来した際、他の地域とは異なり、この地域では落花生の栽培が比較的スムーズに受け入れられました。その背景には、ゼオカルパマメやバンバラマメといった地中に豆を作るマメの栽培が、古くから行われてきた歴史があります。地中に豆ができることへの抵抗感が薄かったため、落花生も抵抗なく受け入れられたと考えられます。

現在でもゼオカルパマメの栽培は細々と続けられていますが、落花生と比較すると収量や換金性が低いため、栽培面積は減少傾向にあります。しかし、地域によっては重要な食料資源として、その栽培が維持されています。

ゼオカルパマメは、サヘル地域の食文化や農業史を語る上で、重要な植物の一つと言えるでしょう。地域に根ざした作物の代表例として、その存在は貴重です。

特徴
一年生植物
地中に莢をつける
種子が食用
サハラ砂漠南縁で主に栽培

関連
バンバラマメ
落花生

外部リンク
* Macrotyloma geocarpum

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