マメ亜科

マメ亜科（ソラマメ亜科）について

マメ亜科（Faboideae、またはPapilionoideae）は、マメ科を構成する3つの亜科の中で最大のグループです。南極大陸を除く全ての大陸に分布し、約476属13860種を擁する多様な植物群です。

分布と生態

熱帯地域には木本性の種が多く、温帯や寒冷地には草本性の種が多く見られます。しかし、熱帯にも草本性の種は分布しており、様々な環境に適応しています。

有用植物

マメ亜科には、私たちの生活に役立つ植物が数多く含まれています。

エンドウ
ヒヨコマメ
インゲンマメ
ヤハズエンドウ
クローバー
ソラマメ
ムラサキウマゴヤシ
ダイズ

これらは食料として重要なだけでなく、牧草や緑肥としても利用されています。

形態的な特徴

マメ亜科の植物は、特有の「蝶形花」を持つことで、他の2つの亜科と区別されます。蝶形花は、以下の構造から成り立っています。

旗弁: 上に広がる1枚の花弁
翼弁: 側面に位置する2枚の花弁
竜骨弁: 内側に位置し、合着して雄蕊を包む2枚の花弁

萼は5枚の萼片が合着して釣り鐘型または管状になり、雄蕊は通常10本です。葉は一般的に羽状または掌状複葉ですが、二回羽状複葉になることはありません。

分類と系統

マメ亜科は、分子系統学的研究に基づいて、いくつかの主要なクレードに分類されています。

ADA clade
トンカマメ連 Dipterygeae
Swartzieae
50-kb inversion clade
Vataireoid clade
Baphieae
Genistoid
Ormosieae
Brongniartieae
Leptolobieae
Camoensieae
クララ連 Sophoreae
Podalyrieae
タヌキマメ連 Crotalarieae
エニシダ連 Genisteae
Dalbergioid
イタチハギ連 Amorpheae
Dalbergieae
Pterocarpus clade
Canavanine-accumulating clade
Mirbelioid
Indigofereae
Millettioid
Abreae
Diocleinae
ナツフジ連 Millettieae
Phaseoloid
ヌスビトハギ連 Desmodieae
インゲン連 Phaseoleae s.s.
Psoraleeae
インゲン亜連 Phaseolinae
Hologalegina
ミヤコグサ連 Loteae
ハリエンジュ連 Robinieae
IRLC
フジ連 Wisterieae
ソラマメ連 Vicieae
イワオウギ連 Hedysareae
シャジクソウ連 Trifolieae

これらのクレードは、それぞれ独自の進化の歴史と特徴を持っています。

おわりに

マメ亜科は、多様な形態、生態、そして有用性を持つ魅力的な植物群です。その分類や系統に関する研究は、現在も進められており、新たな発見が期待されています。

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