ゼップ・ヘルベルガー

ゼップ・ヘルベルガー（Josef "Sepp" Herberger, 1897年3月28日 - 1977年4月20日）は、ドイツ・マンハイム出身の元サッカー選手、そして卓越した指導者です。彼はドイツサッカーの発展に大きく貢献し、「ドイツサッカーの父」とも呼ばれています。

選手としてのキャリア

ヘルベルガーは1919年から地元マンハイムのチームで選手として活動を始め、1921年からはVfRマンハイムに所属。その才能はすぐに認められ、ドイツ代表にも選出されました。代表としては3試合に出場し、2得点を記録しています。その後、テニス・ボルシア・ベルリンでもプレーし、1930年に選手としてのキャリアを終えました。

指導者としての輝かしい功績

現役引退後の1932年、ヘルベルガーはドイツ代表のコーチに就任。1936年のベルリンオリンピックではチームをベスト8に導き、大会後には監督に昇格しました。1938年のワールドカップ（W杯）フランス大会ではベスト16という結果に終わりましたが、彼の指導力は高く評価されました。第二次世界大戦の影響で代表チームの活動が一時停止した後、1949年にはケルン体育大学で指導者養成課程の責任者を務め、後進の育成に尽力します。

1950年、ドイツサッカー協会の国際サッカー連盟（FIFA）復帰が承認されると、ヘルベルガーは西ドイツ代表監督として再びチームを率いることになりました。そして、1954年のW杯スイス大会。ヘルベルガー率いる西ドイツ代表は、決勝で優勝候補のハンガリー代表を破り、見事優勝を果たしました。この劇的な勝利は「ベルンの奇跡」として、ドイツ国民に深い感動を与えました。その後も、1958年のスウェーデン大会で4位、1962年のチリW杯でベスト8と、西ドイツ代表を常に世界の強豪として牽引し続けました。1964年に代表監督を辞任。

後世への影響

ヘルベルガーは、デットマール・クラマーやヘネス・バイスバイラーといった日本サッカー界にも縁のある指導者を育成するなど、その影響力はドイツ国内に留まらず、世界中に及びました。彼の指導哲学や育成メソッドは、現代サッカーにおいても重要な礎となっています。

1977年、肺炎により80歳でこの世を去りましたが、彼の残した功績は永遠にドイツサッカー史に刻まれています。

関連情報

ベルンの奇蹟: 2003年公開のドイツ映画。1954年のW杯スイス大会でドイツが優勝するまでの道のりを描いた作品です。
非ナチ化: 第二次世界大戦後、ナチス・ドイツに関与した人物に対する追及が行われました。

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