ゼネラル・エレクトリック GE38

ゼネラル・エレクトリック GE38（T407/T408）

ゼネラル・エレクトリック（GE）が開発したGE38エンジンは、アメリカ軍に正式に採用されたガスタービンエンジンです。このエンジンの開発は1983年に始まり、6,000軸馬力の能力を目指しました。GEアビエーションがその主導を務め、まずは技術的実証を行うためにターボシャフトエンジンであるGE27が開発されました。

開発の背景と経緯

GE27は、過去に開発されたターボシャフトエンジンであるGE12（T700）の技術を基に、5,000から6,000軸馬力級をターゲットにしたもので、1983年から1986年にかけてのMTDE（Modern Technology Demonstrator Engine）計画において開発されました。この期間において、コア部分の初稼働に成功し、1984年末にはエンジン全体の初稼働を達成しました。

その後、さまざまな試験が行われ、合計で800時間以上のエンジンとしての運転試験が実施されました。これにより、燃料消費率や出力重量比などの面で4つの世界記録を打ち立てる成果がありました。さらに、この技術はターボプロップエンジンの開発へと発展しました。

軍事用および民間向けの進展

軍用ターボシャフトエンジンとして、GE38はCH-47やC-130、P-3といった航空機への搭載が期待され、多国への販売が計画されました。その際、リスク軽減策としてテキストロン傘下のライカミング・エンジンズなどの企業と協力関係を構築しました。

1988年にはターボプロップ版がもともと計画されていたP-7に採用されることが決まりましたが、最終的にP-7計画はキャンセルされました。しかし、GE38はその後の地上試験を経て、確実に技術の進歩を促進しました。

民間向けとしてはGLC38が開発され、一部では加速的な販売の試みがありましたが、いくつかの計画は中止されました。特に、デ・ハビランド・カナダDHC-8-400における採用は、計画の延期により実現しませんでした。

競争と採用

GE38はロールス・ロイスやプラット・アンド・ホイットニーといった他社製のエンジンと競争する立場になり、結果的には2006年に改良型となるGE38-1BがCH-53K計画に採用されることとなりました。このエンジンはその出力を15から20%増大させる改良が施されました。

U.S.海軍からの注文があったGE38-1Bは、2010年には初期試験を完了し、2014年には16基が発注されます。CH-53Kは2015年に初飛行を果たし、その際4,500時間以上の地上試験と1,200時間以上の飛行試験が行われました。

技術的特点

GE38-1B（T408）の主な特性としては、ターボシャフトエンジンで、全長57.5インチ、直径27インチのサイズを持つこと、圧縮機には遠心式と軸流式の組み合わせを使用し、燃焼器はアニュラ型です。また、エンジンの出力は7500馬力に達することが評価されています。

このエンジンの開発は、GEの技術革新を象徴するものであり、現在も進行中のプロジェクトにはターボプロップエンジンCPX38があり、さらなる可能性を秘めています。

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