ライカミング・エンジンズ

ライカミング・エンジンズ（Lycoming Engines）について

ライカミング・エンジンズは、航空用エンジンの製造を専門とするアメリカの企業です。主に小型機向けのレシプロエンジンを提供しており、ペンシルベニア州ライカミング郡ウィリアムズポートに本社を構えています。社名はその本社の所在地であるライカミング郡に由来しています。

企業の歴史

この会社のルーツは1845年にさかのぼります。当初はEllen Louise Demorestによって設立されたミシン製造会社、Demorest Manufacturing Companyとしてスタートしました。ミシンのほかに自動車やタイプライターを手掛けていましたが、1900年代初頭には経営が厳しくなり、自動車用エンジン製造に注力することに決めました。1929年からは航空機用エンジンの製造を始め、特にR-680は小型飛行機に広く使われることとなりました。

レシプロエンジン部門は1994年にテキストロンに買収されたことで子会社となり、ガスタービンエンジン部門はアライドシグナルを経てハネウェル・エアロスペースに売却されました。これにより、ライカミング・エンジンズはより専門化した企業へと変化を遂げていきました。

製品ラインナップ

ライカミング・エンジンズの主力製品であるレシプロエンジンの型式は、特定のアルファベットと数字の組み合わせに基づいています。この番号体系では、最初のアルファベットがエンジンのタイプを示しています。以下は、主なエンジン型式の一部です。

• - A - エアロバティック用 (ドライサンプ)
• - AE - エアロバティック用
• - O - 水平対向エンジン
• - R - 星型エンジン
• - I - 燃料噴射装置付き

例えば、O-540エンジンシリーズは非常に人気があり、特に曲技飛行用のエンジンとして広く利用されています。レッドブル・エアレース・ワールドシリーズでは、2014年以降、O-540のエアロバティックモデルであるThunderbolt AEIO-540-EXPが使用されています。これは、特定のエンジンを使用したワンメイクレースで注目されています。

ガスタービンエンジン

現在、ライカミング・エンジンズのガスタービンエンジン部門は、ハネウェルのブランドとして存在します。代表的な製品には、T53やT55などがあります。

まとめ

ライカミング・エンジンズは、航空用エンジンの製造において長い歴史と確かな技術を持つ企業です。小型機向けのレシプロエンジンやガスタービンエンジンを製造し、飛行機の性能を向上させる役割を果たしています。ミシン製造の創業から現在に至るまでの進化は、航空業界における技術革新の一端を示しています。

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