ゼノサーガ エピソードIII［ツァラトゥストラはかく語りき］

『ゼノサーガ エピソードIII［ツァラトゥストラはかく語りき］』

『ゼノサーガ エピソードIII』は、モノリスソフトによる製作で、バンダイナムコゲームスが2006年にPlayStation 2向けに発売したロールプレイングゲームです。この作品はゼノサーガシリーズの第三作目にして、物語の終結を迎える作品です。全体を通じて、一人のキャラクター、シオン・ウヅキの自立した旅立ちへと至る過程が描かれています。物語は、各キャラクターの個々の物語の締めくくりに焦点を当てており、そのために組織や場面間の複雑な対立や思惑については詳しく説明されていません。

物語は前作の結末からすぐには始まりません。エピソードIIとエピソードIIIの間には、『ゼノサーガ エピソードII to III a missing year』という橋渡しの作品が存在し、本作でもその情報が不完全ながら語られます。具体的には、物語はグノーシス・テロ事件から数ヵ月後に展開され、シオンはU.M.N.に関する情報を得るため、反U.M.N組織であるスキエンティアと共にヴェクターS-Divisionへ潜入することを決意します。この時、ヴェクターでは新たにT-elosが開発され、従来のKOS-MOSが廃棄される決定がなされていました。

一方、シオンの仲間たち、Jr.を含むキャラクターたちは、謎の浮遊大陸レンヌ・ル・シャトーの調査に出かけます。しかし、戦闘中にその浮遊大陸が突然光を放ち、エルザがその中に取り残されてしまいます。エルザを救うため、ユリ・ミズラヒが提案するKOS-MOSの第三種兵装を使用する案に従い、シオンは仲間たちと共にKOS-MOSを取り戻しに向かいます。しかし、彼女がそこで直面することになるのは、過去の苦い真実でした。

制作・キャスト

本作の制作には、多くの才能あるスタッフが関わっています。ディレクターは新井考氏で、物語の原案は高橋哲哉氏によるものです。脚本は米坂典彦氏が担当しており、音楽は梶浦由記氏が手掛けています。また、プロデューサーは萩原智洋氏と岡本進一郎氏、エグゼクティブプロデューサーには杉浦博英氏、横山茂氏、石川祝男氏が名を連ねています。

今作は、シリーズ全体の評価を高めた重要な作品であり、キャラクターたちの成長や彼らが直面する内的な葛藤が描かれています。個々のキャラクターが抱える問題や過去に向き合わせることで、プレイヤーはより深い感情移入を得られることもこのゲームの魅力の一つです。シオンの旅立ちと共に、他のキャラクターたちも個々の道を歩み、自らの真実を見出していくのです。これにより、『ゼノサーガ エピソードIII』は単なる完結編に留まらず、シリーズとしての深みを増すことに成功しています。

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