ゼノン・ヤスクワ

ゼノン・ヤスクワ（Zenon Jaskuła、1962年6月4日 - ）は、ポーランド、ヴィエルコポルスカ県シレーム出身の元自転車競技選手（ロードレース）。

日本では、ポーランド語の特殊文字「ł」が一般的に表記されないため、「l」と見なされ「ゼノン・ヤスクラ」と表記されることが多いです。この「ł」は有声両唇軟口蓋接近音といい、国際音声記号では「w」と表記されます。

経歴

1988年、ソウルオリンピックの100kmチームタイムトライアルで銀メダル獲得に貢献。翌1989年には、世界自転車選手権の同種目で優勝メンバーの一員となり、ピースレースでは総合優勝を果たしました。アマチュア時代は個人タイムトライアルがあまりにも強すぎたため、足切り失格者が続出し「暗殺者」と呼ばれたほどです。

1990年、イタリア籍のディアナ・コルナゴと契約しプロに転向。同年、国内選手権・個人ロードレースで優勝。

GB-MG時代である1993年のツール・ド・フランスでは目覚ましい活躍を見せました。チームタイムトライアルでは牽引車として区間優勝の原動力となり、山岳区間ではアシストが機能しない中、孤軍奮闘。ピレネー越えの第16ステージでは、総合3連覇を目指すミゲル・インドゥラインと、対抗格のトニー・ロミンゲルを退けて区間優勝を果たしました。個人タイムトライアルでも安定した成績を残し、総合3位に入賞しました。同年には、ツール・ド・スイス第6ステージの個人タイムトライアルでロミンゲルを破り勝利、ジロ・デ・イタリアでは総合10位に入っています。

その後は、1995年のツール・ド・スイス総合3位、1997年のポルトガル一周総合優勝、ツール・ド・ポローニュ総合2位などの成績を収め、1998年に引退。引退後は、かつて所属していたマペイの渉外担当を務めています。

主な戦績

1988年 ソウルオリンピック 100kmチームタイムトライアル 銀メダル
1989年 世界自転車選手権 チームタイムトライアル 優勝
1989年 ピースレース 総合優勝
1990年 ポーランド国内選手権 個人ロードレース 優勝
1993年 ツール・ド・フランス 区間優勝（第16ステージ）、総合3位
1993年 ツール・ド・スイス 区間優勝（第6ステージ)
1995年 ツール・ド・スイス 総合3位
1997年 ポルトガル一周 総合優勝
ツール・ド・ポローニュ 総合2位

関連項目

フランチェスコ・モゼール

外部リンク

ゼノン・ヤスクワ - サイクリングアーカイヴス（英語）
ゼノン・ヤスクワ - Olympedia（英語）

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