ゼロ (KOF)

ザ・キング・オブ・ファイターズ：ゼロの謎に迫る

SNKの格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(KOF)シリーズにおいて、最も謎めいたキャラクターの1人と言えるのがゼロでしょう。実際、ゼロという名前は、ネスツという組織に属する2人の人物を指します。彼らはそれぞれ「クローンゼロ」と「オリジナルゼロ」と呼ばれ、異なる個性と目的を持って物語に深く関わっています。

クローンゼロ：ネスツの野望を背負った影

KOF 2000で最終ボスとして初登場したクローンゼロ。コードネーム「01」を持つ彼は、ネスツの上級幹部であり、冷酷非情な策略家です。前作で世界同時テロ計画に失敗したクリザリッドを抹殺するなど、冷徹な実行力も持ち合わせています。

彼の野望は、ネスツを凌駕し、世界を掌握すること。ハイデルン率いる傭兵部隊に潜入し、司令官リングを暗殺。その身代わりとなり、組織の掌握を企てます。そして、究極兵器「ゼロ・キャノン」を奪取するため、KOFを開催。格闘家たちの戦闘から得られるエネルギーをゼロ・キャノンに転送しようとしたのです。

しかし、計画は失敗に終わります。ゼロ・キャノンの誤作動によって自滅し、その命を落とします。怒チームのエンディングでは、ウィップによって止めを刺されたという描写もあります。

その後KOF 2001で明らかになるのは、彼自身がオリジナルゼロのクローンだったという事実。さらに、彼が抹殺したクリザリッドがオリジナルゼロによって救出されていたことも判明します。

KOF 2002 UNLIMITED MATCHでは、ネスツのボスとして再登場。ハイデルンやオリジナルゼロとの特別なイベントシーンも存在します。「裏切り者」を嫌いなものに挙げるなど、複雑な内面も垣間見えます。北斗の拳のキャラクターをイメージしてデザインされたという裏話も興味深いところです。

また、モバイルゲーム『THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR』では、女体化した「プリティー・ゼロ」も登場し、新たな魅力を見せています。

オリジナルゼロ：ネスツの忠実なる執行者

KOF 2001で中ボスとして登場するのがオリジナルゼロ（コードネーム「00」）。ネスツの最高幹部であり、クローンゼロのオリジナルです。クローンとは異なり、ネスツに忠実で、穏やかな表情や性格をしています。

彼は、イグニスによってKOF優勝者の力を試すための駒として利用されます。ペットのグルガン、部下のクリザリッド、元飛賊の龍と共に、優勝者たちに戦いを挑みます。

プレイヤーに敗北した後は、グルガンとクリザリッドと共に墜落。その後の消息は不明ですが、小説版ではK'チームによって倒されたとされています。

KOF 2002 UNLIMITED MATCHでもボスとして登場し、クローンゼロを「道化」と侮辱するなど、その対照的な関係性が描かれています。『THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR』でも、女体化された「プリティー・ゼロ」が登場しています。

グルガン：オリジナルゼロの忠実なる相棒

オリジナルゼロのペットであるオスライオン。戦闘ではストライカーとして参加し、鋭い爪による攻撃で敵を翻弄します。プロフィールではコマンドサンボの使い手という、ライオンらしからぬ特技も記載されています。

『THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR』では、メスライオンというよりは巨大な黒猫のような姿にアレンジされています。

ゼロたちの戦闘スタイルと技

どちらのゼロも、バトルスーツを駆使した独特の戦闘スタイルを持っています。特にスカートに付いた14枚のカッターによる斬り裂き攻撃は彼らの代名詞です。通常技や必殺技は共通するものが多いですが、オリジナルゼロはイグニスと同じ「音巣対流拳」を使用するなど、違いも見られます。

クローンゼロはストライカーを使用できない一方、オリジナルゼロはグルガン、龍、クリザリッドといったストライカーを呼び出して戦います。

両者とも、多彩な必殺技と超必殺技を駆使し、高い攻撃力と耐久力を誇ります。しかし、技後の隙が大きいという弱点も持ち合わせています。家庭用ゲームでは、特定の条件下でプレイアブルキャラクターとして使用可能です。

まとめ

クローンゼロとオリジナルゼロ。対照的な二人は、ネスツという組織の影の部分を象徴する存在と言えるでしょう。彼らの物語は、KOFシリーズの複雑な世界観をより深く理解するための重要な要素となっています。彼らの存在は、今後のKOFシリーズにおいても、重要な役割を果たす可能性を秘めていると言えるでしょう。

もう一度検索