女体化

女体化とは

女体化（にょたいか）とは、主にフィクション作品において、男性キャラクターが女性の体になる現象を指します。これは後天的に起こる場合と、元々女性であったという設定のパロディである場合があります。

商業作品における女体化

女体化は、漫画やゲームなどの商業作品において、非常に人気のあるテーマです。芳林堂書店高田馬場店によれば、強制女性化はジェンダーを超えて広く受け入れられています。これらの作品では、男性として描かれていたキャラクターが女性の役割を強制される様子が描かれることが多く、『らんま1/2|らんま1_2』や『ボクガール』などがその例として挙げられます。これらの作品は、トランスジェンダーをテーマにしたものも多く、TS漫画と呼ばれることもあります。TS漫画には男性化の話も含まれますが、大半は女性化の話です。

アダルトゲームでは、『Xchange』がTSものの先駆けとして知られています。このゲームは、主人公が怪しげな薬を飲んで美少女になってしまうというドタバタコメディです。一般向けのゲームでは、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ヴァンパイア』のデミトリ・マキシモフが、相手を一時的に女性化させる技「ミッドナイトブリス」を持っています。この技を受けたキャラクターの美少女フィギュアも発売されました。

SNKの格闘ゲーム『SNKヒロインズ Tag Team Frenzy』には、女体化したテリー・ボガードが登場します。また、『ファイティングEXレイヤー』には、八神庵の女体化バージョンであるミスXや、スカロマニアの女体化バージョンがDLCとして登場しています。

やおい系二次創作における女体化

やおいとは、漫画やアニメなどの物語に登場する男性キャラクター同士の関係性に同性愛を読み込んだ二次創作のことです。やおい系二次創作には、男女の性愛や女性同士の同性愛を描いた作品も含まれます。その中で、原作の男性キャラクターを女性に変化させて描く「女の子ネタ」は、定番の要素として存在しています。

やおい系二次創作では、登場人物に「攻め」と「受け」の役割が与えられます。「女の子ネタ」では、受けのキャラクターを女性化させて男性との性関係を描くだけでなく、攻めのキャラクターや登場キャラクター全員を女性化させることもあります。両方が女性化される場合、受けは身体的に未成熟な少女として、攻めは身体的に成熟した女性として描かれることが多いです。

やおいに対する分析として、消費者が内面化された女性嫌悪・女性性の否定を表現しているという説がありますが、西村マリは、女の子ネタにおいて女性性がマイナスイメージで描かれることは少なく、出産や育児を描いた作品も存在することから、これらの説に懐疑的な見方を示しています。



参考文献
西村マリ『アニパロとヤオイ』太田出版、2001年。ISBN 978-4872336436。
森瀬繚「エロゲー人の基礎知識 Vol.13 “男の娘パラダイス!?”」『メガストア』2010年6月号、コアマガジン、2010年4月17日、73-78頁。
渡辺由美子 「ショタの研究」『国際おたく大学―1998年 最前線からの研究報告』 光文社、1998年。ISBN 978-4334971823。

関連文献
植島啓司 『男が女になる病気』 集英社、1998年。ISBN 978-4087487862。

関連項目
女性化 (行為)
女装
萌え擬人化
性転換
* 女性化 (生物学)

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