ゼロエミッション車

ゼロエミッション車 (ZEV) の概要

ゼロエミッション車（ZEV）とは、あらゆる排出ガスを出さない車両を指します。具体的には、環境や人間の健康に悪影響を及ぼす二酸化炭素（CO2）、窒素酸化物（NOx）、一酸化炭素（CO）、炭化水素（HC）、および粒子状物質（PM）を排出しない自動車です。これに該当する代表的な市販車には、電気自動車（EV）、燃料電池車（FCV）、電動自転車、さらにはソープボックスなどが含まれます。

ですが、ハイブリッド車（HEV）やプラグインハイブリッド車（PHEV）は、エンジンを搭載し排出ガスを発生させるため、ZEVには分類されません。

ZEV規制

カリフォルニア州では1990年にゼロエミッション車規制（ZEV規制）が施行され、自動車メーカーに対し、一定の基準を満たすZEVの販売を義務付けています。この規制は年々厳格化しており、2020年を迎えるにあたり、2018年にはZEVの販売比率が16%に達しました。これにより、対象となる車両は主に電気自動車（EV）や燃料電池車（FCV）、さらにプラグインハイブリッド車（PHV）が含まれます。

特に、2017年度に6万台以上の車両を販売した自動車メーカーが対象としており、日本の代表的なメーカーであるトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダの4社もその一部です。この規制の影響を受ける州はカリフォルニア州以外にも、アリゾナ州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、オレゴン州、メリーランド州など、合計で10州に及んでいます。

更に、ヨーロッパでも進展が見られ、イギリスやフランスでは2040年までに、新車の販売をゼロエミッション車に限定する意向を示しています。また、インドは2030年を目標に乗用車とバンの新車販売をゼロエミッションにする計画を立てています。

Accelerating To Zero Coalition

持続可能なモビリティの実現に向け、2022年のCOP27で、全ての新車をゼロエミッション車にすることを目指すイニシアチブ「Accelerating To Zero Coalition」が設立されました。主要市場においては2035年、世界全体で2040年を目標としています。2023年1月時点で、多くの国がこのイニシアチブに署名しており、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランスなどを含む多数の国々が参加しています。自動車メーカーもゼネラルモーターズ、ジャガー・ランドローバー、メルセデス・ベンツ、ボルボなどがこのイニシアチブに賛同しています。

このように、ゼロエミッション車は環境への配慮が高まる中で重要な位置を占めており、それに関連する規制やイニシアチブが世界的に進展しています。これらの取り組みによって、未来の交通システムがどれだけ持続可能なものになるのか、今後の動向が注目されます。

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