ソウルメイト/七月と安生

ソウルメイト／七月と安生：複雑な友情と愛の物語

2016年、中国と香港の合作によって制作された映画『ソウルメイト／七月と安生』（原題：七月与安生）は、アニー・ベイビーの同名短編小説を原作とする感動のドラマです。正反対の性格を持つ幼馴染、林七月と李安生の半生を、繊細かつ力強く描き出しています。

物語は、映画会社からの依頼で、李安生が林七月のネット小説『七月と安生』の作者を探し始めることから始まります。13歳で出会った七月と安生は、まるで鏡に映るように正反対の性格をしています。裕福な家庭で育ち真面目な七月と、複雑な家庭環境で育ち自由奔放な安生。しかし、互いの違いに惹かれ、深い友情で結ばれていきます。

高校時代、七月は真面目な青年・蘇家明と出会い交際を始めます。七月は家明に安生を紹介するのですが、家明と安生の間に、予期せぬ感情が芽生え始めます。この微妙な三角関係は、安生が北京へ旅立つことで一旦解消されますが、七月の心には深い傷跡を残します。

その後、七月と家明は結婚を約束しますが、安生は放浪の生活を送ります。再会した二人は、再び衝突し、友情は崩れてしまいます。その後、安生は家明と再会し、深く関わっていくことになります。そして、ある日、七月は家明と安生の関係を知ってしまい、激しい怒りと悲しみに打ちひしがれます。

七月の怒りの中、安生は家明の元を去り、七月は家明と結婚します。しかし、結婚式当日、家明は姿を消してしまいます。傷ついた七月は旅に出、安生を訪ねます。安生は平凡ながらも幸せな生活を送っており、二人は再び友情を取り戻します。しかし、七月の旅は続きます。

その後、安生から衝撃的な事実が明かされます。安生の娘・瞳瞳は、実は家明と七月の子供であり、七月は出産後に亡くなっていたのです。安生は瞳瞳を育てており、結婚式当日に家明が姿を消したのは七月の頼みだったと語ります。

実は、七月は自由奔放な安生に憧れ、彼女と同じように放浪の旅を選びました。安生は七月の願いを叶え、小説『七月と安生』の中で、七月の物語を完成させたのです。安生は、旅を続ける七月のことを思いながら、小説の最終章を締めくくります。

この作品は、チョウ・ドンユイとマー・スーチュンという二人の実力派女優の圧倒的な演技によって、七月と安生の複雑な感情が深く心に響きます。二人の演技は高く評価され、第53回金馬奨では史上初の主演女優賞W受賞という快挙を成し遂げました。また、第36回香港電影金像奨でも12部門にノミネートされ、作曲賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

2017年には第12回大阪アジアン映画祭で上映され、ABC賞を受賞。2021年には日本でも劇場公開され、大きな話題を呼びました。さらに、2023年には韓国でリメイク版が公開され、新たな解釈で感動を呼び起こしています。

『ソウルメイト／七月と安生』は、友情、愛、人生の選択、そして喪失といった普遍的なテーマを深く掘り下げた、忘れられない感動の作品です。二人の女性の人生を通して、私たち自身の生き方や人生の意味について考えさせられる、そんな力強いメッセージが込められています。

キャストとスタッフ

キャスト

李安生（アンシェン）：チョウ・ドンユイ
林七月（チーユエ）：マー・スーチュン
蘇家明（ジャーミン）：トビー・リー

スタッフ

監督：デレク・ツァン
製作：ピーター・チャン、ジョージョー・ホイ
原作：アニー・ベイビー
脚本：ラム・ウィンサム、アニー・ベイビー、リー・ユアン、シュー・イーメン、ウー・ナン
撮影：ジェイク・ポロック、フィッシャー・ユイ
音楽：波多野裕介、ピーター・カム
主題歌：リア・ドウ
美術：ディ・タオ
編集：デレク・ホイ、リー・ディエンシー、チョウ・シャオリン、タン・シャンユエン

韓国リメイク版

2023年には、韓国で『ソウルメイト』（原題：소울메이트）が公開されました。舞台を済州島に移し、新たなキャストでリメイクされた本作も高い評価を得ています。

キャスト

ミソ：キム・ダミ
ハウン：チョン・ソニ
ジヌ：ピョン・ウソク

スタッフ

監督：ミン・ヨングン
脚本：カン・ヒョンジュ、ミン・ヨングン
原作：デレク・ツァン『ソウルメイト／七月と安生』

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