ソウル・ヘチ

ソウル・ヘチ：波乱に満ちた球団の歴史

ソウル・ヘチは、2010年から2011年にかけて関西独立リーグに所属していたプロ野球チームです。その短い活動期間の中で、チーム名の変更、本拠地の移転、資金難による運営会社の撤退など、数々の困難に直面しました。

チーム発足の経緯

2009年、関西独立リーグは4チームでスタートしましたが、そのうちの1チームが撤退したため、リーグは新たなチームを必要としていました。そこで、韓国人と在日韓国人選手のみで構成される「コリア・タートルシップス」が設立され、2010年シーズンからリーグに参入することになりました。チーム名は、豊臣秀吉の軍勢と戦った李氏朝鮮軍の亀甲船に由来しています。しかし、チーム設立直後に「コリア・ヘチ」へと名称が変更されました。「ヘチ」とは、ソウル特別市のマスコットであり、伝説上の動物を模したものです。

2010年2月、ソウル特別市でチームの発足式が行われ、元プロ野球選手を含む21人が加入しました。コーチには、日韓のプロ野球で活躍した在日韓国人の田中実氏が就任し、朴哲祐氏が監督を務めました。

2010年シーズン：苦難の連続

2010年3月、チームはリーグ戦に参入しましたが、観客動員は伸び悩み、開幕戦の観客数はわずか156人でした。その後も観客数は低迷し続け、5月には資金不足を理由に運営会社が撤退を決定。選手たちは2週間の出場停止を余儀なくされました。しかし、選手たちは運営会社に辞職届を提出し、リーグ管理の下で試合を続行。6月には、田中実コーチとキム・ヘニムコーチが指揮を執り、朴哲祐監督は退任しました。7月にはチーム名が「韓国ヘチ」に変更されました。

このシーズン、チームは前後期ともに最下位に終わり、ホームゲームの平均観客数はわずか59人でした。特に、6月にはリーグ歴代最少の16人という観客動員を記録しています。

2011年シーズン：新たなスタート

2011年1月、チーム名は「ソウル・ヘチ」に変更され、本拠地も大阪府から和歌山県に移転。崔在鳳氏が監督に就任し、心機一転、新たなスタートを切りました。4月には、スプリングカップで優勝を果たし、チームは勢いに乗りました。前期リーグ戦は4位、後期リーグ戦は3位と、前年より成績を上げました。

2012年以降：活動休止へ

しかし、2012年以降、ソウル・ヘチは活動を休止し、球団の公式サイトも消滅しました。チームは短期間で解散という形になりましたが、その歴史は、独立リーグの厳しさと、プロ野球チーム運営の難しさを物語っています。

マスコット

チームのマスコットは、ソウル特別市のマスコットである「ヘチ」でした。ホームゲームなどで、その姿を見ることができました。

成績

関連情報

* ジャパン・サムライ・ベアーズ：アメリカの独立リーグに加盟していた日本人だけで構成された野球チーム。



ソウル・ヘチは、その短い活動期間にもかかわらず、多くの人々に記憶されるべきチームと言えるでしょう。独立リーグという厳しい環境の中で、チームは数々の困難を乗り越えようとしました。その挑戦の歴史は、私たちに勇気を与えてくれます。

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