ソドムの林檎〜ロトを殺した娘たち

ソドムの林檎〜ロトを殺した娘たち

『ソドムの林檎〜ロトを殺した娘たち』は、2013年にWOWOWの「連続ドラマW」枠で放送された全4回の日本のテレビドラマです。物語は、結婚詐欺や殺人事件を題材にしており、特に2009年の首都圏連続不審死事件からインスパイアされたフィクションです。この事件では、1億円以上を詐取し、複数の男性を殺害した女性が逮捕され、2017年には死刑が確定しています。これに基づいて、ドラマでは、主演二人の女性が対立を織り交ぜながら、各々の人生に影響を与える出来事に焦点を当てていきます。

あらすじ

このドラマは、小さな離島で敬虔なクリスチャンの母に育てられた宮村恵の物語から始まります。恵は美しい少女として成長しますが、ある日、避妊具を持っていたことを咎められ、母との激しい口論の末、交通事故に遭ってしまいます。この事故によって母は左足を失い、恵も顔に醜い傷が残ることになります。

時が経ち、恵は東京の高級マンションで生活を送っていました。彼女は有名シェフの料理教室に通い、婚活サイトに登録して男性との関係を持ちながら金銭的な援助を受けていました。一方、美しい顔に整形した設楽万里は、初めての同窓会に参加しますが、誰にも認識されず帰路につきます。万里は整形をしたことで自信を失っており、恋人からプロポーズされた際、彼の無邪気な発言に心が冷えてしまいます。

彼女が元恋人三輪の自殺のニュースを聞くと、万里は衝撃を受けます。三輪が婚活サイトで恵との関係を持ち、金銭を貸していたことを調査するうちに、万里は恵の存在を深く知ることになります。

恵の逮捕後、万里は彼女の裁判を傍聴し始め、神を信じていた彼女がなぜ犯罪を犯したのか疑問を抱くようになります。また、恵の故郷である十文字島を訪れた万里は、彼女の過去に隠された秘密に気づいていきます。

キャラクター

宮村恵：演じるのは寺島しのぶ。彼女は結婚詐欺と殺人で逮捕された元美人。顔を醜く整形した背景には複雑な過去があります。
設楽万里：木村文乃が演じる。彼女は美しい外見を求めるあまり、整形を選んだ文芸雑誌の編集者。エピソードを通じて強い劣等感と内面の葛藤が描かれます。

このドラマは、結婚詐欺や殺人という重いテーマを扱いながら、登場人物たちの人間関係や心の波を丹念に描写しています。生と信仰、そして愛の形が交錯するストーリーは、視聴者に強い印象を残すことでしょう。物語は、監督の廣木隆一や脚本家の荒井晴彦が手がけ、どのシーンも見応えのある仕上がりになっています。主題歌の浜田真理子「街の灯り」も物語の深みを加える重要な要素です。

このドラマは現代社会に潜む暗い側面を描き出し、視聴者に様々な考察を促します。特に人間の外見に対する価値観や、それによる影響を考えさせる一作となっています。

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