ソニーエナジー・デバイスとは？意味をやさしく解説

ソニーエナジー・デバイス株式会社の概要

会社紹介

ソニーエナジー・デバイス株式会社は、東京都港区に本社を構えるソニーグループの一員で、電池、充電器、電源装置などを製造しています。企業の歴史は1975年に始まり、当初はソニーとアメリカのユニオンカーバイドによる合弁企業「ソニーエバレディ」として設立されました。これは、ソニーが電池事業に乗り出したいという意向を持っていたものの、技術的なノウハウが不足していたため、ユニオンカーバイドと提携した結果です。

資本と経営の変遷

当初、ユニオンカーバイドはエバレディというブランドを持ち、強力な電池メーカーの地位を築いていましたが、1986年に合弁は解消され、ソニーはその株式を買い取りました。この際、会社名もソニー・エナジー・テックに変更し、独立した電池事業を展開することとなりました。以降、ソニーはユニオンカーバイドから得たノウハウをもとに、乾電池の製造やリチウムを用いた二次電池の研究に力を入れました。

技術革新と製品化

ソニー・エナジー・テックは、リチウムイオン二次電池を開発し、さまざまな充電式電子製品に利用されるようになりました。リチウムイオン電池は、従来のニッケルカドミウム電池と比較して容量が大きく、寿命も長いことから、特にPCやスマートフォンなどで高い評価を受けています。2000年には、日産自動車のハイブリッド車「ティーノハイブリッド」がリチウムイオン電池を使用して発売され、これは世界初の試みとして話題になりました。

しかし、2006年には製造上の欠陥が発覚し、著名な企業へのバッテリーパックの回収が必要となりました。この影響に伴い、約960万個のバッテリーパックが対象となり、その回収コストは510億円に達しました。

組織再編と現在の姿

その後、ソニーグループ内の他の製造拠点との合併を経て、現在のソニーエナジー・デバイスが成立しました。また、2016年には電池事業の一部を村田製作所へ譲渡することを決定し、2017年には譲渡契約を締結。これにより、一般向け製品を除く電池事業の資産と人員が村田製作所に引き継がれました。

製造品目と事業内容

ソニーエナジー・デバイスが製造する主な製品には、酸化銀電池、リチウムコイン電池、電源装置、充電器などが含まれます。さらに、企業は1995年からISO 9001、1996年からISO 14001、1999年にはOHSAS認証を取得し、品質や環境への配慮にも注力しています。

会社の未来

今後は、一般向けのアルカリ乾電池やボタン電池の販売を終了し、技術革新に基づく新たな製品展開に力を入れていく方針です。ソニーエナジー・デバイスは、自社の技術や製品を通じて、今後の市場でも存在感を示していくことが期待されています。

参考リンク

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