ソマリ社会主義革命党

ソマリ社会主義革命党（SRSP）

ソマリ社会主義革命党は、かつてソマリアに存在した政党です。1976年から1991年まで、モハメド・シアド・バーレ大統領率いる政権下で唯一の合法政党として、ソマリアを統治しました。この間、SRSPは一党独裁体制を敷き、ソマリアの社会主義化とソ連との連携を推進しました。

党の概要

党名: ソマリ語: Xisbiga Hantiwadaagga Kacaanka Soomaaliyeed (XHKS)、英語: Somali Revolutionary Socialist Party (SRSP)
創設: 1976年6月
解体: 1991年

歴史

1969年のクーデターで政権を掌握したバーレ大統領は、1976年にソ連の政治体制を模倣し、SRSPを創設しました。1979年8月30日には、ソマリアをソマリア民主共和国と改称し、社会主義国家としての道を歩み始めます。新憲法では、SRSPが唯一の合法政党と定められ、他の政党や政治組織の結成は禁止されました。SRSPは、ソビエト連邦共産党やドイツ社会主義統一党など、他国の社会主義・共産主義政党と友党関係を結び、支援を受けました。党員数は最大時で2万人に達したとされています。

しかし、SRSPの基盤は他の社会主義国と比較して脆弱でした。1991年に反政府勢力である統一ソマリ会議（USC）の攻勢を受けると、党は急速に瓦解しました。バーレ政権の崩壊後、モハメド・サイド・ヘルシ・モルガンら旧SRSP幹部は、バーレ元大統領の復権と社会主義の再興を掲げ、ソマリ国民戦線（SNF）を結成し活動を開始しました。彼らは後にジュバランドを設立しましたが、勢力は弱く、数年後には自然消滅しました。

バーレ大統領の息子であるマスラ・モハメド・シアドは、2010年にソマリア民主党を結成しました。2012年現在、本部はナイロビにあり、アメリカ、カナダ、ヨーロッパに支部を置いています。ソマリア民主党は、複数政党制を掲げています。

党の性格

SRSPは、社会主義とイスラームの聖典コーランの思想を融合させる「科学的社会主義」を提唱し、ソマリアの宗教界を取り込もうとしました。また、バーレ大統領が軍人出身であったこともあり、軍の掌握は比較的容易でした。

しかし、実際には、SRSPはバーレ大統領が自身の権力を正当化するための個人政党としての側面が強く、「個人独裁」や「国家の私物化」といった批判を受けました。また、南部出身者、特にバーレ大統領の属する氏族への優遇と北部への冷遇は、後にソマリランド共和国の分離を招き、強権政治に対する反発は、1980年代には国民、宗教界、軍の離反を招きました。これらの要因が、後のソマリア内戦の一因となったと指摘されています。

関連項目

ソマリア
ソマリア内戦
モハメド・シアド・バーレ

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