ソユーズ24号

ソユーズ24号ミッション概要

1977年、ソビエト連邦は有人宇宙船ソユーズ24号を打ち上げました。このミッションは、宇宙ステーション「サリュート5号」を訪れる3度目にして最後の機会となりました。また、ソビエト連邦が純粋な軍事目的のために遂行した、歴史上最後の宇宙飛行任務としても特筆されます。

ミッションの背景

ソユーズ24号に先立つソユーズ21号ミッションは、サリュート5号内部で発生したとされる有毒な蒸気のため、急遽中止されていました。この状況を受け、ソユーズ24号の主要な任務の一つは、一時的に運用を停止していたサリュート5号を再び活性化させることでした。搭乗したのは、経験豊富な船長ヴィクトル・ゴルバトコ宇宙飛行士（今回で2回目の宇宙飛行）と、フライトエンジニアのユーリ・グラズコフ宇宙飛行士（彼にとって初めての宇宙飛行）です。彼らは、以前ソユーズ23号ミッションでバックアップクルーを務めた経験も持っていました。

打ち上げとドッキング、そして慎重な入室

ソユーズ24号は1977年2月7日にバイコヌール宇宙基地から宇宙へ旅立ち、翌2月8日にはサリュート5号とのランデブーおよびドッキングを無事成功させました。しかし、乗組員はドッキング後、すぐにステーション内部へは入室しませんでした。11時間以上もの間、彼らはステーションのドアを開けることを控えました。これは、ソユーズ21号クルーの撤退原因となったとされる蒸気の問題が完全に解決されているか、あるいは新しい乗組員が対処できる状態にあるかを確認するためと推測されています。彼らはまず呼吸装置を装着してステーション内に入り、広範な大気サンプル試験を実施。安全が確認されて初めて、呼吸装置を外して本格的な活動を開始しました。

遂行された任務

ステーションでの滞在中、ゴルバトコとグラズコフは多岐にわたる任務を遂行しました。これには、生物学および材料科学に関する実験の実施、地球資源の調査、そして写真偵察活動などが含まれます。また、ソユーズ21号ミッションが突然中断したために未完となっていた作業を引き継ぎ、完了させることも重要な任務でした。さらに、サリュート5号が軍事目的の「アルマース計画」の一環であったことから、これらの公表された活動に加え、いくつかの秘密裏の計画も実行されたと考えられています。この飛行は、軍事用途のサリュート宇宙ステーションへの最終訪問であると同時に、ソビエト連邦が純粋な軍事目的で実施した最後の有人宇宙ミッションとなりました。

飛行の目的については、長期滞在を本来の意図としていなかったという推測もあります。実際に、ステーションの運用維持に必要な燃料の量も、長期にわたる滞在を支えるには不十分だったようです。

特筆すべき実験とミッションの終焉

ミッション中の2月21日には、テレビ中継もされた空気入れ換え実験が行われました。ステーションの一端から空気を排出しつつ、ソユーズ軌道モジュールに搭載されたタンクから約100kgの新しい空気を供給するというものでした。この実験は、将来、無人のプログレス補給船による宇宙ステーションへの空気補給技術を検証する重要な試験となりました。

乗組員は2月23日にソユーズ宇宙船の再起動準備を行い、2月25日、カザフスタンのアルカルイク近郊に着陸し、無事地球へ帰還しました。

彼らの帰還後、サリュート5号自体もその役目を終える準備に入りました。2月26日には、ステーションから写真フィルムや実験成果物を収めた回収カプセルが放出され、ソビエト連邦領内で回収されました。そして、ソユーズ24号の帰還から約半年が経過した1977年8月8日、サリュート5号は軌道から離脱し、大気圏に突入して消滅しました。

ソユーズ24号ミッションパラメータ

質量: 6,800 kg
近点高度: 184.7 km
遠点高度: 346.2 km
軌道傾斜角: 51.65°
軌道周期: 89.52分

乗組員

船長: ヴィクトル・ゴルバトコ
フライトエンジニア: ユーリ・グラズコフ

バックアップ乗組員

船長: アナトリー・ベレゾボイ
フライトエンジニア: Mikhail Lisun

リザーブ乗組員

船長: Vladimir Kozelsky
* フライトエンジニア: Vladimir Preobrazhensky

もう一度検索