ソユーズTM-18

ソユーズTM-18（Soyuz TM-18）

概要

ソユーズTM-18は、1994年に実施されたロシアの有人宇宙飛行ミッションです。宇宙ステーション「ミール」への人員交代と物資輸送を目的として打ち上げられた、ソユーズTMシリーズの18回目のフライトにあたります。このミッションは、特に一人の乗組員による前例のない長期宇宙滞在を実現させるという重要な目的を担っており、そのコールサインは「デルベーント」でした。

乗組員

ソユーズTM-18の打ち上げ時には、以下の3名のロシア人宇宙飛行士が搭乗しました。彼らの氏名と、それまでの宇宙飛行経験回数は以下の通りです。

ヴィクトル・アファナシェフ (2回目)
ユーリー・ウサチェフ (1回目)
* ワレリー・ポリャコフ (2回目)

この3名のうち、アファナシェフとウサチェフはミールにおける標準的な長期滞在クルーであるミールEO-15のメンバーとして、そして医師であるポリャコフ博士は医学研究を目的とした超長期滞在クルー、ミールLD-4として、それぞれ異なる役割を担いました。

ミールでの活動と滞在期間

ソユーズTM-18はミール宇宙ステーションに無事にドッキングし、乗組員はミールでの任務を開始しました。ヴィクトル・アファナシェフとユーリー・ウサチェフの両宇宙飛行士は、ミールEO-15クルーとしてミールに約半年間、具体的には179日間にわたり滞在しました。この期間中、彼らは様々な科学実験やステーションの維持管理などの任務を遂行しました。

一方、ワレリー・ポリャコフ博士は、ミールでの長期滞在における人体への影響を詳細に調査することを目的として、他の2名よりもはるかに長い期間ミールに留まることになりました。彼のミッションは、420日間という当時の世界最長となる宇宙滞在記録を樹立することを目指したものであり、これは宇宙医学の分野において極めて重要な取り組みでした。ポリャコフ博士は、アファナシェフとウサチェフがソユーズTM-18で地球へ帰還した後もミールに滞在を続け、ミールLD-4クルーとして医学実験や自身の身体データの収集を行いました。彼は最終的に、ソユーズTM-18ミッション開始から約14ヶ月後の1995年3月に、別のソユーズ宇宙船（ソユーズTM-20）に搭乗して地球へ帰還しました。

帰還

ヴィクトル・アファナシェフ宇宙飛行士とユーリー・ウサチェフ宇宙飛行士は、ミールでの179日間の任務を終え、ソユーズTM-18宇宙船に乗って地球への帰還を果たしました。帰還時のソユーズTM-18には、彼ら2名のみが搭乗していました。ワレリー・ポリャコフ博士は、先に述べたように長期滞在のためミールに残り、ソユーズTM-20で帰還しました。

意義

ソユーズTM-18ミッションは、ミールへの定期的な人員輸送と運用維持に貢献しただけでなく、ワレリー・ポリャコフ博士による歴史的な長期宇宙滞在の達成に向けた重要な一歩となりました。このミッションによって得られたデータは、その後の長期宇宙飛行計画における人体への影響研究や対策の確立に大きく貢献しています。

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