ソラマド オールナイト

ソラマド オールナイト：眠りを誘う深夜の気象情報番組

2009年、ウェザーニューズ (WNI) は、インターネットを通じて24時間生放送の気象情報番組『SOLiVE24』を配信していました。その中の一つとして、深夜帯に放送されたのが『ソラマド オールナイト』です。本番組は、インターネット配信限定で、テレビ放送はありませんでした。

番組は2部構成で、1部は0時～2時、2部は2時～4時まで放送され、月曜日から金曜日までの深夜に、視聴者参加型のバラエティ要素も取り入れながら、気象情報を中心とした落ち着いた内容で展開されました。放送拠点は、ウェザーニューズ・グローバルセンター内にあるソラスタスタジオです。

1部：穏やかな語り口で紡がれる、天気の物語

1部の出演者は、有川雅子さんと石田紗英子さんの2名。有川さんは火・水曜日、石田さんは木・金曜日を担当していました（9月2日までは有川さんが月～水曜を担当）。番組全体は「天気で寝かす」をコンセプトに、ゆったりとしたテンポで進行し、眠れない視聴者にとって心地よい時間をもたらすことを目指していました。

主なコーナーとして、「その時天気が動いた」では前日に起こった気象現象を取り上げ、「地球の天気」では世界の特定地域に焦点を当ててその地域の話題と天気を紹介していました。また、「おやすみメール」のコーナーでは、ウェザーニューズ会員から送られてきた寝る前のメールを紹介し、最後に「おやすみなさい」と語りかけるなど、視聴者の睡眠を促す演出も取り入れられていました。さらに、「ラジオ天気図」では、NHKラジオ第2放送の気象通報を模したコーナーで、前日の21時時点の観測情報が、落ち着いたBGMと共に伝えられました。

有川さんは地元鹿児島の方言を交え、石田さんは関西地方のウェザーリポート紹介時に関西弁で読み上げるなど、それぞれの個性も光る番組でした。番組開始当初はコーナーによって方言の使用がまちまちでしたが、後に全国天気情報なども含めて、有川さんは番組全編を鹿児島弁で放送するようになりました。

2部：チャットと個性豊かなコーナーで深夜を彩る

2部は、堀田奈津水さんと気象予報士の丹羽祐久さん（金曜日のみ出演）が担当。堀田さんは月曜日から木曜日まで出演し、金曜日には丹羽さんが加わりました。

2部では、パソコン向けの視聴ソフト「ソラマド」に搭載されたチャット機能『ソラチャット』を使って視聴者と双方向でコミュニケーションを図るコーナー「みんなとチャット」が特徴的でした。また、「堀田奈津水、気象予報士になる～！」では、堀田さんが気象予報士試験の勉強に励む様子が紹介され、金曜日は丹羽さんが出演して解説を行うなど、教育的な要素も盛り込まれていました。このコーナーでは、堀田さんが製作した粘土人形も登場し、番組に独特の雰囲気を加えていました。

その他、「きょうのワンコイン」では500円以内で堀田さんが購入した商品を紹介するコーナーがあり、「堀田奈津水、宇宙飛行士になる～！」では宇宙飛行士に関する情報を紹介するなど、バラエティに富んだ内容となっていました。

堀田さんは番組開始当初、金曜日にパジャマや甚平で出演していましたが、2009年7月の豪雨災害の報道などで番組内容が変更された後からは、普段着で出演するようになりました。挨拶では「キンニチハ」という独特の言葉が使われていましたが、これは丹羽さんによる金星の大気成分の覚え方から生まれたものです。

番組の終焉と記憶

『ソラマド オールナイト』は、2009年10月2日の放送をもって終了しました。豪雨災害の発生や『SOLiVE Asia』の開始など、番組の放送時間変更やコーナー休止を経て、幕を閉じました。しかし、出演者の個性あふれる進行や、視聴者参加型の試み、そして「天気で寝かす」というユニークなコンセプトは、深夜の視聴者たちに独特の癒しを提供した、忘れがたい番組として記憶されています。

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