ソレイアード

ソレイアード (SOULEIADO)

ソレイアードは、南フランス、プロヴァンス地方の伝統を継承する生地ブランドです。この地方独自のプリント技法を用いた「プロヴァンス・プリント」の代表格として知られています。

プロヴァンス・プリントは、古くから伝わる捺染技術によって生み出されます。特徴的なのは、梨の木に彫られた版木と、主に植物由来の染料を用いる点です。これはプリント生地全般を指す「トワルパント」に含まれますが、プロヴァンス・プリントは特に、アネモネ、ラベンダー、ひまわりなど、プロヴァンスの豊かな自然をモチーフとし、地元産の植物を染料に用いることから、単なる布地ではなく地域を象徴する特産品としての価値を持っています。

長い歴史を持つプロヴァンス・プリントの世界で、ソレイアードは最も古く、そして最も重要なブランドの一つです。その地位を不動のものとしているのが、創業者シャルル・ドゥメリーが心血を注いで集めた、膨大な版木コレクションです。彼は、かつての禁令や時間の経過で失われかけた、実に40,000点にも及ぶ版木を収集しました。このコレクションは、ソレイアードのデザインにおける無限の源泉となり、伝統的な柄を現代に蘇らせ、また新たなバリエーションを生み出すことを可能にしました。

「ソレイアード」というブランド名は、古いプロヴァンス語で「雨上がりの雲間から射し込む陽の光」を意味します。南仏の明るい陽差しや、困難を乗り越えた後の希望を感じさせる、美しい名前です。

プロヴァンス・プリントのルーツは、17世紀のインド更紗に遡ります。フランスでは一時期、自国産業保護のためその製造などが禁じられましたが、タラスコンという地域で密かに技法が受け継がれました。1806年、このタラスコンにソレイアードの前身となるプリント工場が設立されます。工場は所有者を何度か変え、1937年にシャルル・ドゥメリーが引き継ぎ、1939年にソレイアード・ブランドを創立しました。彼は版木収集によって伝統を守り、ブランドの礎を築きました。その後、ドゥメリー家から1997年にニコラン財閥へと経営が移り、現在に至ります。

この歴史と、受け継がれてきた膨大な版木、そして「陽の光」を意味するブランド名が、ソレイアードのプリント生地に唯一無二の魅力と物語を与えています。

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