ソロモンの指輪

ソロモンの指輪

ソロモンの指輪は、偽典『ソロモンの遺訓』に登場する伝説の指輪です。ヤハウェの命を受けた大天使ミカエルが、ソロモン王に授けたとされています。

特徴

指輪は真鍮と鉄でできており、この指輪を持つ者は、様々な悪霊を使役する権威を与えられると伝えられています。

伝説

エルサレムで神殿建設に行き詰ったソロモン王が、モリヤ山の岩の上でヤハウェに祈りを捧げたところ、大天使ミカエルがまばゆい光と共に現れ、黄金に輝く指輪を授けました。

ソロモン王はこの指輪の力を使って、多くの天使や悪魔を使役し、神殿を完成させたとされています。良き魔神（天使）を使役する際には真鍮の部位を、悪しき魔神（悪魔）を使役する際には鉄の部位を投げつけ、呪文を唱えることで、いかなる魔神も強制的に従わせたと伝えられています。

ただし、『レメゲトン』に見られるような悪霊使役の記述は、旧約聖書正典には存在しません。

ゼバオト（Sabaoth）は「軍勢の長」を意味し、ヘブライ語経典ではヤハウェの異称として用いられています。

その他

動物行動学者のコンラート・ローレンツは、ソロモンの指輪の伝説に着想を得て、動物とのコミュニケーションをテーマにした著書『ソロモンの指輪』を著しました。指輪がなくても、動物の気持ちが理解できる、というメッセージが込められています。

参考文献

旧約聖書「ソロモンの指輪」デイビッド・デイ編/塩崎麻彩子訳

外部リンク

英訳版「ソロモンの遺訓 (The Testament of Solomon)」

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