偽典

偽典（ぎてん）とは

偽典とは、旧約聖書の正典および外典には含まれていない、ユダヤ教やキリスト教に関連する文書群のことです。「偽りの著書名」を意味するギリシア語の「Pseudepigrapha」に由来し、旧約偽典とも呼ばれます。

概要

偽典に分類される書物は、旧約聖書に関わるものが主で、新約聖書に相当するものは存在しません。これらの文書は、紀元前3世紀から紀元後1世紀頃にかけて成立したと考えられており、ヘブライ語やアラム語、一部はギリシア語で記述されています。

「偽典」という言葉が持つ意味合いは、時代とともに変化してきました。古代教会においては、本来の著者名を偽った書物という意味から、内容の信頼性が低い書物と解釈され、異端的な意味合いを含むこともありました。しかし、現代においては、正典や外典に含まれない文書の総称として、便宜的に用いられることが一般的です。

偽典の一覧

偽典の定義や分類は非常に曖昧であり、以下に示す文書が偽典として明確に定義されているわけではありません。また、宗教と政治は歴史的に密接な関係にあるため、「今日の偽典が明日の正典」となる可能性も考慮する必要があります。

偽クレメンス文書
ディダスカリア
Apostolic constitution
アダムとイヴの生涯
アリステアスの手紙
第三マカベア書
第四マカベア書
シビュラの託宣
スラヴ語エノク書
ピルケ・アボス
ヨベル書
エチオピア語エノク書
ソロモンの詩篇
シリア語バルク黙示録
ギリシア語バルク黙示録
第四エズラ書（第二エスドラス書）
十二族長の遺訓
イザヤの殉教
モーセの遺訓
アブラハムの遺訓
ヨブの遺訓
預言者の生涯
ヨセフとアセナテ
共同体の規則
ダマスコ文書
戦いの巻物
ハバクク書注解
外典創世記
感謝の[詩篇]
神殿の巻物
賢者アヒカルの物語
フィロンの聖書古代誌

関連項目

エキュメニズム
正典
* 外典

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