ソロモン諸島の行政区画

ソロモン諸島の行政区分は、国全体を統括する中央政府、地域ごとの州政府、そして地方レベルの自治体という三層構造を基本としています。しかしながら、実際に独自の行政機能を持つ地方自治体として機能しているのは、首都であるホニアラ市に限られています。また、ホニアラ市は特定の州に属さず、独立した特別市の地位を与えられています。州の下には行政区が設けられていますが、これらは行政機能を持ちません。

現在の行政区分

現在のソロモン諸島は、9つの州（Province）と、首都として州から独立したホニアラ市によって構成されています。島嶼国家であるソロモン諸島の特性上、ホニアラ市を除く各州は、複数の島々やその一部によって成り立っています。

歴史的変遷

ソロモン諸島の行政区画は、イギリスによる統治時代から現在に至るまで、幾度かの変遷を経てきました。

イギリス統治時代

第二次世界大戦が始まる以前、イギリス領ソロモン諸島は12の行政地区（District）に分けられていました。これには、チョイスル、東部ソロモン、ギゾ、ガダルカナル、ロード・ハウ、マライタ、ンゲラおよびサボ、レンネルおよびベローナ諸島、サンタクルーズ、ショートランド、シカイアナ（スチュアート）、そしてイサベルおよびケープ・マーシュといった地区が含まれます。

第二次世界大戦後、統治の中心がツラギからホニアラへ移されるとともに、行政区分は4つの地区に再編されました。この新しい区分は、中央地区（10,780 km2）、東部地区（4,083 km2）、西部地区（9,312 km2）、そしてマラライタ地区（4,225 km2）でした。

独立後の変遷

1978年に独立を果たした後も、ソロモン諸島はイギリス統治時代からの4つの州区分を一時的に継承しました。しかし、1981年に制定された州政府法に基づき、1982年1月29日には7つの州に再編されます。

その後、1983年7月には、首都ホニアラが首都地域（Capital Territory）として、属していたガダルカナル州から分離しました。これにより、国全体の行政区分は1つの首都地域と7つの州からなる体制となりました。1986年7月2日には、マキラ州がマキラ・ウラワ州へと名称を変更しています。

さらに、1993年2月25日には、チョイスル州が西部州から分離独立しました。続いて1995年7月20日には、レンネル・ベローナ州が中央州より分離が認められました。同年の5月26日には、首都地域が廃止され、ホニアラは正式に市としてガダルカナル州に編入される形となりました。ただし、この編入後もホニアラ市は独自の行政府を持つ特別市としての地位を維持しており、実質的に州から独立した行政機能を有しています。

行政区（Ward）

現在の行政構造において、州の下には合計183の行政区（Ward）が設置されています。これらの行政区は、直接的な行政機能を担っているわけではありません。その区割りは主に人口規模を基準として定められており、各行政区は州議会への議員を選出する役割を果たしています。

このように、ソロモン諸島の行政区画は、島嶼国家としての地理的な特性と、イギリス統治から独立を経て現在に至るまでの歴史的な経緯の中で形成された、多層的かつ複雑な構造を持っています。

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