ソング・トゥ・ソング

『ソング・トゥ・ソング』は、テレンス・マリック監督が2017年に発表したアメリカ映画です。テキサス州オースティンの音楽業界を舞台に、夢を追い求める4人の男女の姿を、流麗な映像美で描き出しています。

ストーリー

音楽業界での成功を夢見る人々が集まるオースティン。しかし、そこは誘惑と裏切りが渦巻く世界でもありました。音楽業界の大物クック、才能ある作詞家のBVとフェイ、そしてウェイトレスのロンダ。2組のカップルは、愛、成功、そして自己の探求を通して、それぞれの道を模索していきます。

主要キャスト

クック：マイケル・ファスベンダー
BV：ライアン・ゴズリング
フェイ：ルーニー・マーラ
ロンダ：ナタリー・ポートマン

その他、ケイト・ブランシェット、ヴァル・キルマーなどの実力派俳優が出演しています。また、フローレンス・ウェルチ、パティ・スミス、イギー・ポップといったミュージシャンもカメオ出演しています。

製作の背景

当初のタイトルは「Lawless」でしたが、ジョン・ヒルコート監督にタイトル使用を許可したため、「Weightless」を経て「Song to Song」に変更されました。撮影は2012年にオースティンで行われましたが、マリック監督は膨大な量の映像を撮影し、ポスト・プロダクションに時間を要しました。最終的に、ベニチオ・デル・トロ、クリスチャン・ベールなど、多くの俳優の出演シーンがカットされています。

評価

本作は、その実験的な映像と、伝統的な物語構造からの逸脱により、批評家からの評価が大きく分かれました。Rotten Tomatoesでは、批評家支持率は49%となっています。

肯定的な評価としては、「映像美が際立っており、人生を変えるような作品」という意見があります。一方、否定的な評価としては、「ストーリーが支離滅裂で、観客の理解を拒んでいる」という意見も見られます。

テレンス・マリック監督の作風

『ソング・トゥ・ソング』は、マリック監督特有の詩的な映像、内省的なナレーション、そして即興的な演出が特徴です。従来の映画のような明確なストーリーラインよりも、登場人物の感情や内面世界を描くことに重点が置かれています。そのため、観る人によっては難解に感じるかもしれませんが、その独特な映像美と音楽は、観る者の心に深く響くことでしょう。

この映画は、音楽、愛、そして人生の意味を問いかける、テレンス・マリック監督ならではの作品と言えるでしょう。

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