パティ・スミス

パティ・スミスの生涯と業績

パティ・スミス（Patti Smith）は、1946年12月30日にアメリカのシカゴで生まれ、ニュージャージーで育った有名なシンガーソングライター、ミュージシャン、詩人です。1970年代にニューヨーク・パンクシーンで華々しく登場し、「パティ・スミス・グループ」として活動した彼女は、「パンクの女王」として広く知られています。

若い頃、パティは詩や文学に強い関心を持ち、その影響を受けながら創作活動を展開しました。15歳のとき、大学進学の費用を稼ぐためにピスファクトリーで働きながら、アルチュール・ランボーやボブ・ディランに憧れました。最初はこれらアーティストの愛人になることを夢見たニューヨークへの移住は、ロバート・メイプルソープとの交流を通じて、自己の芸術家としての道を見出すきっかけとなりました。

彼女は1967年に女の子を出産し、その後養子に出しました。1969年にニューヨークへ移住し、芸術活動を積極的に行うようになります。詩朗読の際にレニー・ケイが音楽を演奏するスタイルで交流を深める中、1973年にはリチャード・ソールが加わり、メンバーの評価が高まりました。1974年、彼女はドラマーのジェイ・ディ・ドゥーティーとベーシストのアイヴァン・クラールを迎え、5人組バンドとしての活動を本格化しました。

1975年にリリースしたデビューアルバム『ホーセス』は、特に「グロリア」のパンキッシュなカバーで賛否が分かれるも話題となります。続く1977年の事故は彼女に大きな試練をもたらしましたが、1978年のアルバム『イースター』からは、ブルース・スプリングスティーンとの共作である「ビコーズ・ザ・ナイト」がヒットを記録しました。

フレッド・スミスとの結婚によりアーティスト活動から約10年離れた後、1988年に『ドリーム・オブ・ライフ』を発表。しかし、1994年にフレッドが亡くなると、彼女は再び音楽の世界に戻ります。1990年代後半以降、パティは頻繁に新作を発表し、2001年から2002年のフジ・ロック・フェスティバルに連続で出演するなど、国内外での活躍を続けました。2007年には初のカバーアルバム『トゥウェルブ』を発表し、2008年には自身のドキュメンタリー映画が公開されました。

また、彼女の著作『ジャスト・キッズ』は、二人の芸術家としての出発点に焦点を当て、全米図書賞を受賞したことで話題となりました。パティ・スミスは、女性ロックシンガーの先駆者としての地位を確立し、激しい歌唱法やアナーキーなリリックで多くのアーティストに影響を与えました。現在も様々なコラボレーションやツアーを行いながら、パンクの精神を音楽として表現し続けています。彼女は多くのアーティストに新たな道を示し、ロックの歴史に名を刻む存在となりました。

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