ソーシャルブックマーク

ソーシャルブックマーク（SBM）とは

ソーシャルブックマーク（SBM）は、インターネット上のブックマークを共有するサービスです。ユーザーはウェブページのリンクを保存し、タグと呼ばれるキーワードで分類します。これにより、同じ興味を持つ他のユーザーとブックマークを共有し、新たな情報を見つけ出すことができます。

SBMの概要

SBMは、フォークソノミーというユーザー主導の分類システムを利用しています。ユーザーが自由にタグを付けることで、ウェブコンテンツを多角的に分類・検索できるようになります。この仕組みは「ソーシャルタギング」とも呼ばれ、多くのユーザーが協力してメタデータを付与することで、コンテンツの発見と共有を促進します。

SBMでは、ユーザーはブックマークを公開・非公開に設定できます。公開されたブックマークは、他のユーザーが閲覧したり、タグで検索したりすることが可能です。多くのSBMでは、ブックマークを時間順やカテゴリ、タグ別に整理できるだけでなく、同じページをブックマークしているユーザー数も表示されます。また、一部のサービスではタグの関係性を分析し、関連性の高いタグやブックマークを提示します。

さらに、SBMはフィード機能も備えており、他のユーザーが新しく保存・共有したブックマークを購読できます。これにより、最新の情報や興味深いコンテンツを効率的に収集できます。近年では、ブックマークの格付けやコメント機能、ブラウザとの連携機能、グループ機能なども追加され、より高度な情報管理と共有が可能になっています。

SBMの歴史

SBMの概念は、1996年に公開・非公開ブックマーク機能を持つ「itList」が登場したことに始まります。その後、複数のオンラインブックマークサービスが登場しましたが、収益化モデルの欠如から、ドットコムバブル崩壊と共に多くが破綻しました。2003年に登場した「del.icio.us」（現：Delicious）は、タグ付け機能を導入し、「ソーシャルブックマーキング」という言葉を生み出しました。2004年以降、Furl、Simpy、Citeulike、Connotea、Stumbleuponなどのサービスが登場し、SBMは急速に普及しました。2005年以降、日本でもはてなブックマークなどのSBMが開始され、多くのユーザーに利用されるようになりました。

SBMの利点

SBMは、従来の検索エンジンとは異なるアプローチでウェブコンテンツを整理・発見できるという利点があります。ユーザーがタグを付けることで、ウェブページの意味を人間が理解し、より正確に分類できます。また、検索エンジンがまだ発見していない新しいページを発見したり、ブックマーク数に基づいてコンテンツの重要度を評価したりすることも可能です。

ユーザーにとって、SBMは複数のデバイスからブックマークにアクセスできるため、大量の情報を効率的に管理できます。また、知人とブックマークを共有することで、興味深い情報を交換できます。図書館などの組織でも、参考資料のリストを共有するためにSBMが活用されています。

SBMの欠点

一方で、SBMにはいくつかの欠点も存在します。タグ付けはユーザーに委ねられているため、標準化されたキーワードが存在せず、タグの表記ゆれや曖昧さ、誤字脱字などが生じます。これにより、検索結果が不正確になったり、関連性の高い情報を見落としたりする可能性があります。また、スパムや情報操作のために、一部のユーザーが同じページを何度もブックマークしたり、不適切なタグを付けたりすることも問題です。

SBMの発展と課題

SBMは、ユーザーが協力して情報を整理・共有する画期的なシステムですが、その課題を克服するために、継続的な改善が必要です。例えば、タグの曖昧さを解消するために、タグの階層構造を導入したり、タグの関連性を分析したりする技術が開発されています。また、スパムや情報操作を防ぐために、セキュリティ対策も強化されています。

まとめ

SBMは、ウェブ上の情報を効率的に管理し、共有するための重要なツールです。フォークソノミーというユーザー主導の分類システムは、従来の検索エンジンとは異なるアプローチで情報発見を可能にします。SBMは、その利点を最大限に活用し、課題を克服することで、今後もさらに発展していくことが期待されます。

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