ゾンド3号

ゾンド3号について

ゾンド3号（Zond 3）は、ソビエト連邦が開発した月探査機であり、ゾンド計画の一環として活動していました。この探査機は、月のフライバイを行い、多くの画像データを地球に送り返した初めてのゾンド系の探査機です。

設計の概要

ゾンド3号のデザインは、前モデルのゾンド2号に非常に似ており、探査機の各種装置にはさまざまなセンサーが搭載されていました。具体的には、撮像装置のほかに、磁気センサー、紫外線および赤外線分光計、そして放射線センサーが含まれています。また、観測用のアンテナや流星ダストを検出する装置も備えられていました。さらに、イオンエンジンの試験機も搭載されており、さまざまな技術の実証が行えるように設計されていました。

ミッションの詳細

ゾンド3号は、マルス3MV-4Aとも呼ばれ、スプートニク（65-056B）によって宇宙に打ち上げられ、月へ向かう軌道に入ることとなりました。探査機には焦点距離106mmのカメラとテレビシステムが組み込まれており、これにより高精度な画像撮影が可能となりました。

1965年7月20日、ゾンド3号は打ち上げから約33時間後に月に最も接近し、9200kmの距離でフライバイを実施しました。この時、探査機は68分ごとに高品質の写真を25枚撮影し、全体で月面の1900万平方キロメートルをカバーすることができました。その後、撮影した画像は220万kmの距離からファクシミリで地球に送信され、さらに3150万kmの距離からも再度送信されました。

月を通過した後、ゾンド3号は太陽周回軌道に入ることになり、火星への軌道に相当する距離からも通信を行っています。このことは、ゾンド3号が火星探査機としての役割も想定されていたことを示していますが、1964年の火星の打ち上げウィンドウには間に合わず、実際には次のウィンドウまで火星へ到達することが不可能でした。そのため、探査機は主に機体のテスト目的に使われたと考えられています。

結果と影響

最終的に、ゾンド3号は月探査において重要な役割を果たし、その高品質な画像は後の研究において貴重なデータとなりました。ゾンド計画全体における技術と知識の蓄積は、後の宇宙探査における大きなステップとなり、ソビエト連邦の宇宙開発における成果を象徴するものでした。今回の探査の成功は、他の天体探索や月探査の先駆けともなり、その弊風は現在の宇宙探査にも受け継がれています。

参考文献

• - Zarya - Zond 3
• - Soviet Lunar Images
• - Processed images from the Zond 3 mission

このように、ゾンド3号の冒険は宇宙科学における重要なエピソードとして多くの人々に記憶されています。

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