ゾンバ・ミュージック・グループ

ゾンバ・ミュージック・グループとは

ゾンバ・ミュージック・グループは、1977年にクライヴ・カルダーによって設立された音楽出版社を前身とする音楽会社です。1981年にはレコードレーベルとしての活動を開始し、独立系レーベルとして世界最大規模にまで成長しました。その名称は、アフリカのマラウイの旧首都であるゾンバに由来します。

2002年6月にBMGに買収されるまでは、世界最大のインディペンデント・レーベル音楽会社として、大手5社と肩を並べるほどの規模を誇っていました。BMGはその後ソニー・ミュージックエンタテインメントと合併し、ソニーBMG（現在はソニー・ミュージックエンタテインメント）を設立。ゾンバは旧BMG勢の傘下に入り、現在に至っています。

日本国内においては、過去にCBS・ソニー、アルファレコード、BMGビクター、エイベックスといった大手レコード会社と提携していました。また、2000年にはフジサンケイグループの出資を受け、日本法人「ゾンバ・レコーズ・ジャパン」を設立し、一時的に独立した活動も行っていました。日本レコード協会（RIAJ）の準会員でもありました。現在、ゾンバ・ミュージック・グループの日本盤は、ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル・RCA/JIVEグループ|RCA_JIVEグループを経て、ソニー・ミュージックレーベルズから発売されています。

ゾンバ・ミュージック・グループの歴史

1977年: クライヴ・カルダーが音楽出版事業会社として設立。
19??年: イギリス・ロンドンにオフィスを設置。
1981年: ゾンバ・レコーディング・コーポレーションとして音楽事業に業種転換。
1991年: BMGがゾンバの音楽出版部門を25%買収。
1996年: BMGがレコード部門を20%買収。
2002年: BMGがゾンバを28億5000万ドルで買収し、完全子会社化。

BMGによる買収の背景

BMGは当初、EMIとの合併を計画していました。しかし、独占禁止法の懸念から2001年に合併は解消されました。この背景には、EMIがヴァージン・ミュージック・グループを手放さなかったことも影響しています。もし合併が実現していれば、ユニバーサル・ミュージック・グループに匹敵する世界最大のレコード会社が誕生するはずでした。

合併が頓挫したBMGは、独立系レーベルの買収に戦略を転換。ゾンバは1991年から段階的にBMGに買収されており、その音楽出版部門の25%、レコード部門の20%の株式を保有していたため、BMGは買収を確実視していました。そして、2002年6月、BMGはゾンバを28億5000万ドルで買収し、傘下に収めました。

主要レーベル

ゾンバ・ミュージック・グループは、多くの著名なレーベルを傘下に抱えていました。

ゾンバ・レコード (Zomba Records): グループの中核となるレーベル。
ジャイヴ・レコード (Jive Records): ヒップホップ、R&Bに強いレーベル。ブリトニー・スピアーズなどが所属。
エピデミック・レコード (Epidemic Records):
ラ・フェイス・レコード (La Face Records): R&B、ソウルに特化したレーベル。TLCなどが所属。
ソーソーデフ・レコーディングス (So So Def Recordings): アリスタ・レコードから配給権を移行後、Virgin Music Group、アイランド・デフ・ジャム・ミュージック・グループを経て、2009年よりSME傘下。
ヴォルケーノ・レコード (Volcano Records):
ヴァリティー・レコード (Verity Records): ゴスペル音楽に特化したレーベル。
ミュージック・フォー・ネイションズ (Music For Nations): ヘヴィメタル、ハードロック系のレーベル（2004年に消滅）。
ピナクル・レコード (Pinacle Records):
ラフ・トレード・レコード (Rough Trade Records): インディーズ・ロックのレーベル。
* シルヴァートーン・レコード (Silvertone Records):

これらのレーベルから、数多くのヒット曲や人気アーティストが生まれ、音楽業界に大きな影響を与えました。

ゾンバ・ミュージック・グループは、インディペンデント精神を持ちながらも、世界的な音楽ビジネスを展開した稀有な企業であり、その歴史は音楽業界における重要な一部と言えるでしょう。

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