タイム二十四

株式会社タイム二十四：東京臨海副都心の夢と挫折



株式会社タイム二十四は、東京都を中心とした出資により設立された第三セクター企業でした。東京臨海副都心の発展に貢献することを目指し、ソフトウェア・データベース産業の集積を目指した施設建設の調査や企画、事業化計画の立案などを当初の目的としていました。その後は、同社が所有するタイム24ビルの賃貸業務が主な事業となりました。

しかし、設立以来、タイム二十四の経営状況は悪化の一途を辿ります。様々な経営改善策が講じられましたが、効果は上がらず、2005年3月には、497億円にも上る負債を抱え、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請する事態に陥りました。

この経営悪化の背景には、複数の要因が考えられます。当初の事業計画がうまく機能しなかったこと、不動産市場の変動、競争の激化などが挙げられます。経営改善策として、東京都の指導のもと、事業計画の見直しや経営改善策大綱の策定なども行われましたが、残念ながら状況を好転させるには至りませんでした。

タイム二十四は、東京ファッションタウン株式会社とともに、2006年3月に株式会社東京ビッグサイトに吸収合併されました。これにより、タイム二十四の企業としての歴史は幕を閉じました。しかし、タイム二十四が所有していたタイム24ビルは、現在も東京ビッグサイトの一部として機能しています。

タイム24ビル：ドラマの舞台として



タイム24ビルは、フジテレビの人気ドラマ『踊る大捜査線』のロケ地として使用されたことで知られています。ドラマでは、ビルの会議室が捜査会議の会場、屋上が自殺志願者の舞台、出入口が病院の玄関として登場しました。このドラマの影響もあり、タイム24ビルは、多くの人々に知られる存在となりました。

沿革




会社概要（廃止当時）



  • - 代表取締役社長：村岡茂生
  • - 本社所在地：東京都江東区青海2丁目45番地 タイム24ビル
  • - 資本金：24億8400万円
  • - 都出資比率：4億円（16.1％）

事業概要（廃止当時）



  • - ビルの賃貸業
  • - コンピューターによる情報処理、情報提供等の各種サービス

2000年以降、これらの事業は株式会社東京ビッグサイトに委託されていました。

経営状況の悪化



2004年度には、16億円の赤字、累積損失額約172億円、債務超過額約147億円という深刻な経営状況に陥っていました。金融機関からの借入金残高は約467億円に達し、財政は完全に破綻状態でした。

東京臨海副都心における役割



タイム二十四は、東京臨海副都心の発展に貢献することを目指して設立されましたが、その目標は達成できませんでした。しかし、タイム24ビルは、東京ビッグサイトの一部として、現在も東京臨海副都心の発展に貢献しています。タイム二十四の失敗は、第三セクターのあり方や、都市開発におけるリスク管理について、貴重な教訓を残しました。

まとめ



株式会社タイム二十四は、東京臨海副都心の開発という大きな夢を抱いて設立されましたが、経営難によりその夢は挫折しました。その歴史は、成功と失敗、そして東京都と民間企業の連携の複雑さを改めて私たちに示しています。タイム24ビルは、ドラマのロケ地として記憶される一方、企業経営の難しさを象徴する存在ともいえるでしょう。

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