タイ・リッジバック・ドッグ

タイ・リッジバック・ドッグ

タイ・リッジバック・ドッグは、タイ王国原産の犬種で、ガードドッグや狩猟犬として活躍してきました。タイでは「マー・タイ」（タイの犬）と呼ばれ、タイ原産で唯一FCI（国際畜犬連盟）に公認されている犬種です。

歴史

タイ・リッジバック・ドッグは、およそ3000年前から存在していたとされる古代犬種です。ディンゴに近い原始的な特徴を残していますが、その詳しい生い立ちについてはまだ解明されていない部分が多くあります。

最大の特徴である背中のリッジバック（逆立った毛並み）は、かつて南アフリカ原産のホッテントット・ドッグとタイの土着犬との交配によって生まれたと考えられていました。しかし、現在では自然発生した個体が起源であるという説が有力です。

主に番犬として人々の生活を支えてきましたが、時にはイノシシやウサギなどの狩猟にも用いられてきました。近年、海外でも知られるようになり、ショードッグとして活躍する個体も増えています。日本にも輸入されていますが、世界的にもまだ珍しい犬種です。

また、ベトナム原産のプー・クォック・リッジバック・ドッグは、タイ・リッジバック・ドッグの近縁種であり、より祖先の犬種に近い特徴を残していると考えられています。

特徴

タイ・リッジバック・ドッグは、筋肉質で引き締まった体格をしており、原始的な面影を残しています。スムースコートで飾り毛はなく、毛色はレッド、ブルー、ブラック、シルバーなどがあります。どの毛色であっても、マズル（口吻）が黒いのが一般的です。

大きめの立ち耳と垂れ尾を持ち、最大の特徴は、うなじから尾の付け根にかけて背中に一筋の逆立った毛並み、リッジバックがあることです。リッジバックの形状には、矢印型や針型など、いくつかの種類があります。爪は硬くジェットブラック色で、脚が長く身体能力も非常に高いです。

体高は、オスが56～61cm、メスが51～56cmで、体重は23～34kgです。

性格は、物静かで飼い主に忠実、愛情深く温和ですが、警戒心が強い一面もあります。そのため、番犬としても適しています。

参考資料

『犬のカタログ2004』（学研）中島眞理 監督・写真
『日本と世界の愛犬図鑑2007』（辰巳出版）佐草一優監修
『デズモンド・モリスの犬種事典』（誠文堂新光社）デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳

関連項目

犬の品種一覧
* ローデシアン・リッジバック

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