タカサブロウ

タカサブロウ（Eclipta thermalis）について

タカサブロウは、キク科タカサブロウ属に分類される一年草です。水田や湿った場所に自生し、日本ではごく普通に見られる雑草の一つです。その見た目は、小さなヒマワリを思わせる特徴的な姿をしています。

名称の由来

タカサブロウという和名の語源については、はっきりとしたことはわかっていません。また、別名としてモトタカサブロウとも呼ばれることがあります。

形態・生態

タカサブロウは、草丈が数十センチメートル程度まで成長します。茎は比較的柔らかく、節ごとに葉が対になって生えています。茎を折ると、切り口がすぐに黒く変色し、その汁で文字を書くこともできます。

葉は楕円形で、縁には粗い鋸歯が見られることもあります。葉の表面には細かい毛が生えており、触るとざらざらとした感触があります。頭花は夏に咲き、直径1センチメートルほどの円盤状をしています。外側の舌状花は白色で、内側の筒状花は黄緑色をしています。果実は3〜4稜形で、両側には翼があります。

分布

タカサブロウは、日本を含む東アジアから南アジアにかけて広く分布しています。日本国内では、本州以南で見られます。日本に生育するタカサブロウは、史前帰化植物であると考えられています。

人間との関わり

タカサブロウは、「旱蓮草（カンレンソウ）」という名前で漢方薬として利用されています。また、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダにおいても、薬用植物として用いられています。

タカサブロウ属

タカサブロウ属（Eclipta）には、以下の種が含まれます。

アメリカタカサブロウ (Eclipta alba)：南米原産の帰化植物で、日本でも多く見られます。タカサブロウとよく似ていますが、果実に翼がない、茎が直立せずに地を這う、葉が細いなどの点で区別できます。
タカサブロウ (Eclipta thermalis)
Eclipta prostrata
オニタカサブロウ (Eclipta zippeliana)

参考資料

平野隆久写真『野に咲く花 : 写真検索』
『写真で見る外来雑草』
岩瀬徹『形とくらしの雑草図鑑 : 見分ける、身近な280種』
岩瀬徹・川名興・飯島和子『校庭の雑草』
亀田龍吉、有沢重雄『花と葉で見わける野草』

関連項目

草の一覧
水田雑草
帰化植物

外部リンク

The Plant List (2013年). “Eclipta thermalis Bunge”
"Eclipta thermalis" - Encyclopedia of Life
"Eclipta prostrata (L.) L." Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA).
"Eclipta prostrata (L.) L."
"Eclipta prostrata". National Center for Biotechnology Information（NCBI）
波田善夫. “タカサブロウ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学.
いがりまさし. “モトタカサブロウ”. 植物図鑑・撮れたてドットコム.
タカサブロウ（2007年7月5日時点のアーカイブ）

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