タクシー運転手 約束は海を越えて

映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』

『タクシー運転手 約束は海を越えて』（原題：택시운전사）は、2017年に公開された韓国映画で、1980年に韓国で発生した光州事件を題材にした実話に基づいた作品です。監督はチャン・フン、主演は実力派俳優のソン・ガンホが務めています。この映画は、国内外で高い評価を受け、一躍話題となりました。

あらすじ

光州事件は、1980年5月に韓国の光州市で起きた民主化を求める重大な出来事です。この事件は、全斗煥政権下でのクーデターを背景に、学生や市民による大規模な抗議活動が行われたことから始まりました。映画では、タクシー運転手・キム・マンソプ（ソン・ガンホ）がドイツ人記者ピーターを光州に連れて行く様子が描かれています。彼は高額な運賃に魅かれ、光州へ向かいますが、そこで目にするのは軍による不当な弾圧と暴力です。ピーターはこの現実を世界に伝えるために記録を撮影しようと決意します。その過程で、マンソプもピーターの使命を理解し、彼を助けるようになります。

主なキャスト

• - キム・マンソプ（ソン・ガンホ）: 妻を亡くし、11歳の娘と二人三脚で生活を支えているタクシー運転手。
• - ピーター（トーマス・クレッチマン）: 光州事件を報道するために派遣されたドイツ人ジャーナリスト。
• - ファン・テスル（ユ・ヘジン）: 光州のタクシー運転手。
• - ク・ジェシク（リュ・ジュンヨル）: 翻訳を担当する大学生。

公開と評価

この映画は2017年8月2日に韓国で初公開され、すぐに大ヒットしました。初日には698,090枚のチケットが販売され、観客動員数は数日で100万人を超えました。映画は公開からわずか19日で1,000万人を動員し、韓国映画史に名を刻む成功を収めました。その後、アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされ、全世界にその名を広めました。

批評と受賞歴

『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、批評家からも高い評価を得ています。多くのレビューでは、物語の深さや感情の描写、タクシー運転手とジャーナリストとの絆が称賛されていました。文在寅大統領が映画を鑑賞した際には、外国人ジャーナリストが韓国の民主化に与えた貢献を称えています。

本作は国内外で数多くの賞を受賞し、特に演技力に関して高い評価を得ています。特にソン・ガンホの演技力は賞賛され、彼が演じるキャラクターの成長が観客の心をつかみました。

まとめ

『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、光州事件という歴史的背景を持ちながらも、友情や勇気といった普遍的なテーマを描いた感動作です。視覚的にも素晴らしく、ストーリーの陰にある実際の事件を知ることで、より深い理解と共感を得ることができます。この映画は、ただのエンターテインメントではなく、韓国の歴史的出来事を知る貴重な機会を提供しています。

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