タスコシステム

株式会社タスコシステム

株式会社タスコシステムは、「北前そば高田屋」や「オリエンタルグリル」をはじめとする多様な外食チェーンを傘下に収めていた持株会社として知られていました。かつては、北海道札幌市で創業し、札幌本社と東京都港区の東京本社という二本社体制を敷いていましたが、経営末期には東京都文京区に本社を構えていました。

沿革と経営の変遷

1988年10月26日に札幌市で会社を設立。その後、事業を拡大する中で1997年には東京支社を開設し、2002年には東京本社に昇格させ、東西二本社体制を確立します。2001年9月21日には株式を店頭公開（現在のジャスダック）し、順調に成長を続けているかに見えました。

しかし、積極的な事業展開は裏目に出て、経営状況は徐々に悪化します。この事態を打開するため、2005年にはジェイ・ブリッジ株式会社からの支援を受け入れることとなりましたが、抜本的な改善には至りませんでした。経営再建の一環として、2006年5月には持株会社体制へと移行し、主要事業を新設分割によって設立された株式会社札幌タスコ、株式会社東京タスコに移管します。しかし、この時点ですでに財務状況は厳しく、2006年6月の時点では債務超過の可能性が報じられていました。

債務超過と上場廃止

2007年2月28日、タスコシステムは2006年12月期決算において約16億円もの債務超過に陥っていたことを正式に発表しました。その後も経営は好転せず、赤字が続いたため、監査法人も2008年12月期半期報告書において会計監査の意見を表明しないという異例の事態に至ります。これを受け、ジャスダック証券取引所は上場廃止を決定し、2008年12月15日にタスコシステムは上場廃止となりました。

事業譲渡と終焉

経営再建のため、傘下事業の売却も進められました。2007年9月には株式会社とり鉄を株式会社アスラポート・ダイニングへ譲渡。さらに、主力ブランドであった北前そば高田屋事業も、2009年2月に株式会社プロスペリティ1へ譲渡されました。

上場廃止後、タスコシステムは事実上活動を停止し、実質的に休眠状態となっていました。再建の見込みがないまま時が経過し、2016年6月15日に東京地方裁判所から破産開始決定を受けるに至ります。そして、同年10月31日をもってその法人格は消滅しました。

関連情報

子会社: 株式会社札幌タスコ、株式会社東京タスコ、プラスネット株式会社、株式会社ブランドバンク、株式会社TASCOキャピタル、株式会社TASCOファイナンス
メディア: かつてテレビ東京の「日経スペシャル ガイアの夜明け」において、その事業展開や新たな戦略が複数回（2003年7月8日、2005年6月28日）取り上げられたことがあります。

株式会社タスコシステムは、積極的な外食事業展開から拡大路線を歩むも、経営悪化を食い止めることができず、最終的に市場からの退場、そして法人としての幕を閉じることとなった企業でした。

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