タタバーニャ

タタバーニャ：ハンガリーの工業都市の歴史と現在

タタバーニャ（Tatabánya）は、ハンガリーの北西部に位置するコマーロム・エステルゴム県の県都です。ドイツ語ではTotiserkolonieとも呼ばれます。この都市は、山岳地帯の豊かな地下資源に恵まれ、古くから鉱業が盛んでした。また、地理的にはオーストリアとハンガリーを結ぶ交通の要所であり、ウィーンとブダペストを結ぶ鉄道が通過するなど、交通の便が良い地域です。

地勢と産業

タタバーニャはゲレチェ山脈の麓に位置しており、この山脈から産出される豊富な地下資源が、この都市の鉱業発展の基盤となりました。交通の面では、首都ブダペストから東に約45キロ、北東にはエステルゴムが約35キロ、南にはセーケシュフェヘールヴァールが約40キロの距離に位置しています。また、北西約30キロにはドナウ川沿いの国境都市コマーロムがあり、ドナウ川を越えるとスロバキアに入ります。これらの地理的条件が、タタバーニャの産業と経済発展に大きく寄与してきました。

歴史

現在のタタバーニャは、第二次世界大戦後にいくつかの集落が合併して成立しました。これらの集落の歴史は古く、1288年には史料にその名前が初めて登場します。その後、オスマン帝国やハプスブルク家の支配を経て、第一次世界大戦後にハンガリー領となりました。第二次世界大戦後の共産党政権下では、工業化が積極的に推進され、1950年にはコマーロム県の県都となりました（現在は合併を経てコマーロム・エステルゴム県）。しかし、社会主義経済の行き詰まりと東欧革命による共産党政権の崩壊後、タタバーニャの経済は厳しい状況に直面しました。

スポーツ

タタバーニャには、サッカークラブ「FCタタバーニャ」があります。このクラブの起源は1910年に遡り、2002年に改組されて現在の形になりました。2005年には1部リーグに昇格し、そのシーズンを5位で終えるなど、一定の成績を収めています。

姉妹都市

タタバーニャは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

アーレン（ドイツ）
イジェフスク（ロシア）
オドルヘユ・セクイエスク（ルーマニア）
クライストチャーチ（イギリス）
パザルジク（ブルガリア）
フェアフィールド（アメリカ合衆国）
ベンジン（ポーランド）

これらの姉妹都市との交流は、文化や経済など多岐にわたる分野で、タタバーニャの国際的な繋がりを深めています。

出身者

タタバーニャ出身の著名人には、以下の人物がいます。

カッシャイ・ヴィクトル：サッカー審判員
キプリッチ・ヨージェフ：サッカー選手、サッカー指導者
チェルノビツキ・エーヴァ：柔道家
フェヘール・ミクローシュ：サッカー選手
ベーラ・コヴァーチ：クラリネット奏者

これらの出身者は、それぞれの分野で国際的に活躍し、タタバーニャの名を世界に広めています。

外部リンク

タタバーニャの公式サイト（英語）

タタバーニャは、その歴史、地理、経済、文化、スポーツなど、多様な側面を持つ都市です。過去の工業都市としての栄光を背景に、現在の社会経済状況に対応しながら、新たな発展を目指しています。

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