タテホシムシ科

タテホシムシ科の概要

タテホシムシ科（Aspidosiphonidae）は、星口動物門サメハダホシムシ綱の中で、タテホシムシ目に該当する唯一の科です。本科は3つの属で構成されており、特にその特徴的な体形と生活様式から注目されています。

サメハダホシムシ綱の特徴

サメハダホシムシ綱に属する生物は、触手が口の背面側にのみ存在し、口囲に触手がないというユニークな身体的特徴を持っています。タテホシムシ類は、体幹部において硬化した盾状部を持つのに対し、サメハダホシムシ類にはこの特徴が見られないため、両者は明確に区別されます。

構成種と属の特徴

タテホシムシ科の詳細な分類は、主に西川によるものに従っています。以下に、正確な学名と分類体系を示します。

タテホシムシ属

タテホシムシ属（Aspidosiphon）は、1851年にDiesingによって記載された属で、暗褐色の角質小板が集まった盾状部が特徴です。この盾状部の端には陥入吻という器官が出ており、これが他の属との識別点となっています。タテホシムシ属はさらに3つの亜属に分かれています。

• - Akrikos亜属 には以下の種が含まれます。

- Aspidosiphon (Akrikos) albus
- Aspidosiphon (Akrikos) mexicanus
- Aspidosiphon (Akrikos) thomassini
- Aspidosiphon (Akrikos) venabulum
- Aspidosiphon (Akrikos) zinni

• - Aspidosiphon亜属 には以下の種が含まれます。

- Aspidosiphon (Aspidosiphon) elegans（トゲタテホシムシ）
- Aspidosiphon (Aspidosiphon) exiguus
- Aspidosiphon (Aspidosiphon) gracilis（グラシリス）
- Aspidosiphon (Aspidosiphon) misakiensis（タテホシムシ）
- Aspidosiphon (Aspidosiphon) muelleri（ミューラータテホシムシ）
- Aspidosiphon (Aspidosiphon) spiralis

• - Paraspidosiphon亜属 では次のような種が見られます。

- Aspidosiphon (Paraspidosiphon) coyi
- Aspidosiphon (Paraspidosiphon) laevis
- Aspidosiphon (Paraspidosiphon) steenstrupii（ミナミタテホシムシ）

ビョウホシムシ属

ビョウホシムシ属（Cloeosiphon）は、1868年にGrubeによって記載され、タテホシムシ属と同様に盾状部が多数の小板から構成されていますが、こちらの小板は石灰質で白色です。吻の形状もタテホシムシ属とは異なり、盾状部の中央から出現します。

• - 主な種: Cloeosiphon aspergillus（ビョウホシムシ）

カブトホシムシ属

カブトホシムシ属（Lithacrosiphon）は、1902年にShipleyによって記載され、1枚の石灰質の板でできた盾状部を持っています。2012年に発表された分子系統学に基づく最新の分類体系では、本属はタテホシムシ属の同義語とされています。

• - 主な種: Lithacrosiphon cristatus（カブトホシムシ）

これらの知識を通して、タテホシムシ科の生物たちの多様性や特異性を理解し、その生態系における役割について学ぶことができます。

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