タニス・リー

タニス・リー（Tanith Lee、1947年9月19日 - 2015年5月24日）は、イギリスが生んだ傑出したファンタジー作家であり、「現代のシェヘラザード姫」や「ダーク・ファンタジーの女王」といった異名を持ちます。

9歳から創作活動を始め、グラマースクールで美術を学んだ後、24歳で作家デビューを果たしました。初期には児童向けのジュブナイル作品を手がけていましたが、その作風は神秘的で耽美的なものでした。彼女の名を広く知らしめることになったのは、『平たい地球』シリーズです。特に、シリーズ第2作である『死の王』は、オーガスト・ダーレス賞（現在の英国幻想文学大賞）を受賞し、彼女の地位を確立しました。

短編作品にも定評があり、1983年には『ゴルゴン』、翌1984年には『彼女は三（死の女神）』で、世界幻想文学大賞短篇部門賞を2年連続で受賞するという快挙を成し遂げています。2013年には、世界幻想文学大賞で生涯功労賞を授与され、その長年の功績が讃えられました。

彼女の作品はファンタジーの枠にとどまらず、ホラー、SF、エッセイ、ドラマ脚本など、多岐にわたるジャンルに及びます。また、アンソロジーへの寄稿も数多く、その創作意欲は衰えることを知りませんでした。

100冊近い著作がありますが、翻訳されたものは比較的少なく、その多くが絶版となっています。しかし、彼女の作品は、今なお多くのファンに愛され続けています。

2015年5月24日、67歳でその生涯を閉じました。彼女の作品は、これからも多くの読者に感動を与え続けることでしょう。

主な著作

『ドラゴン探索号の冒険』
『月と太陽の魔道師』
『幻魔の虜囚』
『死霊の都』
『影に歌えば』
『黄金の魔獣』
『バイティング・ザ・サン』
『鏡の森』
『パイレーティカ - 女海賊アートの冒険』上
『パイレーティカ - 女海賊アートの冒険』下
『薔薇の血潮』上
『薔薇の血潮』下
『闇の城』
『白馬の王子』
『銀色の恋人』
『銀色の愛ふたたび』
『闇の公子』（平たい地球シリーズ）
『死の王』（平たい地球シリーズ）
『惑乱の公子』（平たい地球シリーズ）
『熱夢の女王』上（平たい地球シリーズ）
『熱夢の女王』下（平たい地球シリーズ）
『妖魔の戯れ』（平たい地球シリーズ）
『パラディスの秘録 幻獣の書』
『パラディスの秘録 堕ちたる者の書』
『パラディスの秘録 死せる者の書』
『パラディスの秘録 狂える者の書』
『ウルフ・タワーの掟』（ウルフ・タワーシリーズ）
『ライズ星の継ぎ人たち』（ウルフ・タワーシリーズ）
『二人のクライディス』（ウルフ・タワーシリーズ）
『翼を広げたプリンセス』（ウルフ・タワーシリーズ）
『水底の仮面』（ヴェヌスの秘録シリーズ）
『炎の聖少女』（ヴェヌスの秘録シリーズ）
『土の褥に眠る者』（ヴェヌスの秘録シリーズ）
『復活のヴェヌス』（ヴェヌスの秘録シリーズ)

短編集

『冬物語』
『幻想童話集 血のごとく赤く』
『タマスターラー インド幻想夜話』
『ゴルゴン - 幻獣夜話』
『悪魔の薔薇』

その他短編

「解凍の日」
「雨にうたれて」
「神々の天秤」
「勿咬草(かみなぐさ)、あるいは炎の花」
「時の過ぎゆくままに」
「白い魔女」
「貴婦人」
「水に書いた愛」
「ジャンフィアの木」
「顔には花、足には刺」
「ヒューマン・ミステリ」
* 「罪のごとく白く、今」

タニス・リーの作品は、その独特な世界観と美しい文章で、読者を魅了し続けています。

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