タピオカティー

タピオカティーとは

タピオカティーは、ミルクティーに大粒のタピオカパール（スターチボール）を加えた台湾発祥の飲料です。独特の食感と甘みが特徴で、世界中で人気を集めています。

名称

タピオカティーは、地域や言語によって様々な名前で呼ばれています。

中国語圏：台湾、中国、香港、シンガポール、マレーシアなどでは「珍珠奶茶」（zhēnzhū nǎichá、ヂェンヂューナイチャ）または「波霸奶茶」（bōbà nǎichá、ボーバーナイチャ）と呼ばれます。波霸とは、広東語で「爆乳」を意味するスラングが由来です。
台湾：タピオカパールのサイズによって呼び方が異なり、直径1cm程度のものを「波霸奶茶」、5mm程度のものを「珍珠奶茶」、さらに小さいものを「小珍珠」と呼びます。
日本：「タピオカティー」のほか、「タピオカミルクティー」または「タピオカドリンク」とも呼ばれます。
英語圏：北米では「バブルティー」(bubble tea)、「ブラックパールアイスティー」（black pearl ice tea）などと呼ばれます。

概要

タピオカティーは、台湾だけでなく、日本、東南アジア、北米、ヨーロッパ、アフリカなど世界中で販売されています。台湾では、持ち帰り時にこぼれないようフィルムで密閉して提供するスタイルが一般的です。多くの専門店では、甘さ、氷の量、ベースドリンク、トッピングなどをカスタマイズできます。

タピオカパールをストローで吸い込む感覚と、もちもちとした食感が特徴です。台湾では、この食感を「QQ」と表現します。主に冷たい状態で飲まれますが、温かいものも存在します。ミルクティー以外のドリンクにタピオカを入れたものは「タピオカドリンク」と呼ばれます。

発祥

タピオカティーの発祥には、二つの説があります。

春水堂説：1983年、台湾・台中市の喫[[茶店]]「春水堂」のオーナーである劉漢介が、「清涼[[飲料水]]に対抗できる中国[[茶]]」として考案したという説。
翰林茶館説：翰林茶館のオーナー涂宗和が考案したという説。

この二つの店は、どちらも「タピオカティーの元祖」を名乗っており、後に裁判にまで発展しました。

台湾におけるタピオカティー

台湾では当初、タピオカティーはあまり評判が良くありませんでしたが、徐々に人気が高まり、登場から10年程度で国民的な飲料となりました。台湾では、タピオカティーが社会現象になるほどの人気を博し、政府が武器購入の予算案を「タピオカミルクティー武器販売」と揶揄されるほどです。

また、アメリカをはじめとする海外でも、アジア系住民の多い地域を中心に、タピオカティーを提供する店が多く見られます。

日本におけるタピオカティー

日本では、過去に3度のタピオカブームが起こりました。

第1次ブーム：1990年代前半、タピオカココナッツミルクが注目された頃です。
第2次ブーム：2000年代初頭、濃厚なミルクティーにブラックタピオカが入った「タピオカミルクティー」が大ヒットしました。コンビニエンスストアでも販売されるようになり、学園祭などでも見られるようになりました。
第3次ブーム：2018年後半から2019年にかけて、タピオカの品質にこだわった専門店が人気を集めました。このブームでは、紅茶以外の様々なドリンク（緑[[茶]]、烏龍[[茶]]、ほうじ[[茶]]、フルーツジュースなど）にタピオカを入れるスタイルが広まり、タピオカミルクティー味のグミやチョコレート菓子なども登場しました。しかし、2020年に入ると急速にブームは終息しました。新型コロナウイルス感染症の影響で、人々の外出自粛により客足が激減し、多くの店が閉店しました。

タピオカティーの作り方

基本的な作り方は、以下の通りです。

1. タピオカパールを茹でる：水から茹でると溶けてしまうため、お湯で茹でます。茹で上がったら冷水で締め、シロップに漬けます。
2. ドリンクを用意する：ミルクティー、緑[[茶]]、烏龍[[茶]]、フルーツジュースなど、好みのドリンクを用意します。
3. タピオカパールとドリンクを混ぜる：カップにタピオカパールとドリンクを入れ、混ぜ合わせます。

店舗や地域によっては、様々なアレンジが加えられます。例えば、砕いたクッキーを乗せたり、ミントを添えたりするなどのバリエーションがあります。

主なチェーン店

タピオカティーを提供する主なチェーン店は、以下の通りです。

春水堂
貢茶
ジ・アレイ
チャタイム
CoCo都可
タイガーシュガー
珍煮丹
ベビタピ
快可立

タピオカパールについて

タピオカパールは、タピオカ粉から作られます。黒タピオカは、カラメル色素、炭末、黒糖などで着色されています。キャッサバから作られたタピオカは、長時間水に浸すとふやけてしまうため、コンビニなどで販売されるチルド飲料には、こんにゃく粉から作られたタピオカが使用されることもあります。

その他

若者の間では、タピオカドリンクを飲むことを「タピる」と言います。
タピオカパールから発癌性物質が検出された事例もあります。

食品加工・工業利用

タピオカのデンプンは、米ぬかを吸着する性質があるため、無洗米を作るためのNTWP加工法に利用されます。また、酵素によるカチオン化処理を経て、製紙用の乾燥紙力増強剤や、紙の表面に塗布して吸水しにくくする表面サイズ剤としても用いられます。

関連情報

仙草ゼリー - 代表的なトッピングの一つ
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