タンクバタリアン

タンクバタリアン (Tank Battalion)

『タンクバタリアン』は、ナムコによって1980年10月にリリースされたアーケード向けのビデオゲームです。この作品は、固定された画面で黄色の戦車を操作し、出現する敵タンクを倒していくというシンプルながらも中毒性の高いゲームプレイを提供します。

ゲームの概要

プレイヤーは、4方向に動かせるレバーと1つのボタンでタンクを操作します。自機は画面上に一発の砲弾を発射することができ、周囲の壁は全て壊せるため、戦略的な要素が強調されています。敵タンクは画面の端から出現し、一定数を倒すことで面をクリアします。敵の攻撃を自機の弾で相殺することも可能です。

スコアは、敵との距離に応じて異なり、近くで敵を撃破すれば高得点が得られます。特に、敵タンクを正面で密着して倒すと「ミステリーボーナス」がつかめ、より戦略的なプレイが求められます。しかし、自機が全て破壊されるとゲームオーバーとなります。また、画面中央に存在する「司令部」に敵や自機の弾が当たると即座にゲームオーバーになるという厳しいルールも、このゲームの緊張感を高めています。テーブル筐体の価格は58万円と、高価な投資が求められました。

他のバージョンと移植作

『タンクバタリアン』は、いくつかのプラットフォームに移植されています。例えば、SORD-M5版はキャラクターが8×8ドットとなり、フィールド面積が4倍に拡大されました。また、MSX版では「スーパータンク」という独自の要素が追加され、レインボータンクを破壊することで自機の連射能力が向上する仕組みが導入されています。

MSX版はさらに、ゲームスタート時とゲームオーバー時のBGMが加えられており、アーケード版との音楽面での差別化が図られています。この他にも、Windows95版やPlayStation4、Nintendo Switch版としてもリリースされました。

類似作品と亜流

『タンクバタリアン』が人気を集めたことで、他社からも戦車を使用した類似のゲームが誕生しました。1980年に発売された『戦国の自衛隊』は、戦車が斜めに動くことが特徴で、特定の条件下で得点が倍になるシステムを採用しています。

また、アイレムから出版された『パンサー』では、異なる操作方法やボスキャラクターの登場など、独自のアプローチが加えられました。これらのタイトルは、当時のゲーム市場において反響を呼び、戦車ゲームというジャンルが確立されるきっかけとなりました。

現存とレア度

発売から40年以上が経過し、当時のアーケード基板を手に入れることは非常に難しくなっています。流通数が少ないため、希少価値が高く、特に純正基板は中古市場でも価格が高騰しています。一部の海賊版も存在し、メーカー名や登場年の表示が消されていることから、オリジナルにこだわるコレクターにとっては、注意が必要な面もあります。

結論

『タンクバタリアン』は、シンプルなゲーム性ながらもプレイヤーに戦略的な思考を促すユニークなタイトルです。その人気は、後のゲームデザインに大きな影響を与え、多くの派生作品やインスパイアを生み出しました。今日でも、レトロゲームとしての地位を確立し、多くのファンに愛され続けています。

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