タンバー級潜水艦

タンバー級潜水艦について

タンバー級潜水艦（Tambor class submarine）は、アメリカ海軍が運用したディーゼル機関を用いる通常動力型潜水艦の一つです。特に第二次世界大戦中にその存在感を発揮しました。この艦級は、一般的にT型とも呼ばれています。

背景

1920年代後半に発生したVボート潜水艦建造計画の失敗を経て、アメリカ海軍は実用的な艦隊型潜水艦を求めるようになりました。その流れは、1933年度から1935年度にかけて建造されたポーパス級潜水艦（P型）に始まり、続いてサーモン級、さらにサーゴ級へと進化しました。これらの型式においても、特にサーゴ級での電池やモーターの革新は、アメリカ潜水艦工業史における重要な転機でした。これにより、潜水艦の性能が向上し、より高い攻撃能力が求められるようになりました。

設計と建造の経緯

1937年の秋に、ポーツマス海軍造船所の設計チームは、新しい潜水艦の設計プランを提出します。このプランは、後にタンバー級として知られることになります。その設計過程では、海軍内の異なる意見もあり、実現には時間がかかりましたが、1939年に最終的な設計が承認されました。また、同年にはロンドン海軍軍縮会議の影響で、潜水艦の保有枠が拡大したことも新型艦の建造を後押ししました。最初の6隻が1940年度にさらに6隻とともに建造されることとなります。

タンバー級は、基本的にサーゴ級に似ていますが、いくつかの改良点がありました。具体的には、艦首における魚雷発射管の増加、魚雷管制コンピューター（TDC）の導入、乗員の居住空間の改善、ネガティブタンクの設置、安全対策の強化が挙げられます。これにより、潜水艦としての性能が飛躍的に向上しました。

戦歴

タンバー級は、太平洋戦争の開戦時にはアメリカ海軍の最新鋭潜水艦として非常に重要な役割を担いました。後に投入されたガトー級やバラオ級と連携し、ウルフパック戦術を実施することで日本の通商路を脅かしました。しかし、彼らの安全深度設定はやや浅かったため、その点が若干の弱点となりました。この艦級の損耗率はアメリカ潜水艦の中でも特に高く、58%に達したことが記録に残っています。

特に1940年度建造艦の中では、ガー（USS Gar）以外の艦は全て戦没していますが、トートグ（USS Tautog）は著名で、公式に沈めた敵艦数では第1位に輝いています。その活躍により、タンバー級は多くの使命を果たしましたが、大戦後期には次々と新しい艦級が就役するに伴って、練習艦へと役割を移していきました。

同型艦

タンバー級には、1939年度に建造された艦と1940年度に建造された艦が存在します。1939年度艦には、タンバー（USS Tambor）、トートグ（USS Tautog）、スレッシャー（USS Thresher）などがあり、1940年度艦にはガー（USS Gar）、グランパス（USS Grampus）、グレイバック（USS Grayback）などが含まれています。これらの艦船の戦歴は各艦ごとに異なり、詳細な情報が求められることが多いです。

まとめ

タンバー級潜水艦は、その設計と戦歴から見てもアメリカ海軍の潜水艦の中で重要な位置を占めています。技術の革新や戦術の進化を反映したこの艦級は、当時の戦況において非常に有用な兵器として機能しました。

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